M-1グランプリ準決勝直前 各コンビへの期待

今日の17時からM-1準決勝がある。賞レース決勝というよりも「このライブがあったら絶対行きたい」というメンツだった。
各コンビへの期待を開演前に残しておきます。
決勝予想はあまりに難しいのでしません。

真空ジェシカ

昨年のM-1では「1日市長」の全てのボケが大ハマり、「理系のおばあちゃん珍しい」などのキラーフレーズがことごとくハマった印象があった。
真空ジェシカのラジオ父ちゃんを毎週聴いているが、賞レースに挑む上での苦悩や悔しさは出来るだけ表に出したくないタイプである。できるだけ賞レースの話は避けているようにも感じる。またネタ終わりに上沼さんが「恥ずかしながらついていけてない」というような発言をし、その後引退を表明したのももしかしたら真空のネタが一因なのかもしれない。飄々としたボケにオドオドツッコミ、これは出順にもよるがハマれば相当強い。なんなら一ボケ一ボケがことごとくハマり最終決戦もありえる。

ママタルト

「行くなら今年」という勢いを感じるコンビ。徐々に肥満のテレビ仕事も増え、来年の今頃にはライブでネタを試す時間が思うように取れなくなってしまうのでは?と懸念している。敗者復活に進んだ時点でインパクトがかなり大きく、その後より仕事が増えることは容易に予想できる。なんなら今年優勝してしまうかもしれないと思っている。抽象的表現だが今のママタルトには風が吹いていて、それにうまく乗れば優勝もある。ひたすらに明日応援してます。大鶴肥満の体が動くのは10年だと言われているので、今のうちに優勝しておいてほしい。
ちなみにこの前大宮でママタルトを見た際、優勝前の霜降りに感じたような「凄味」と「これから何かヤバイことになるという感覚」があった。

令和ロマン

こないだ神保町の劇場で見て、1組だけ明らかにレベルが異なっており衝撃だった。他を下げるわけではないけど、格の違いのようなものを見せつけられた感覚があった。魔人無骨時代に1度ワイルドカードで準決勝に行っていますがその頃とは手数もテンポも超スピードで進化している。くるまの飄々とした早口ボケも良いけどケムリのツッコミの切れ味もたまらない。初の準決勝頑張って下さい。

ダイヤモンド

いままでずっと「行けそうでいけない」ゾーンに入っていたダイヤモンド。毎年誰もやっていなかったことをやって、しっかりウケる姿勢がめちゃくちゃ格好いい。今年は少し毛色を変えて、良い意味でどの層にも届くネタのような気がした。やっと壁を超えることができた2人が準決勝で何をやるのか楽しみにしています。そして今のM-1であれば十分決勝もありえる。

ヨネダ2000

私が唯一めちゃくちゃハマった女性コンビで、初めてネタを見た時衝撃で呼吸がうまくできなかった。普段何を見て何を食べて、どんな日常を過ごせば思いつくのかという発送の数々。久々の女性コンビ決勝に最も近いのは彼女たちだと思う。この結成歴で2年連続準決勝というのも、ヨネダならまあ行くかという感じの風潮があってそれ自体凄すぎることである。東京芸人は関西芸人よりも0から1を生み出す従来にない発想力に長けているというのは、彼女たちが現れたことで改めて言われ始めたことかもしれない。

ダンビラムーチョ

ダンビラムーチョといえば野球部あるあるという人も多いだろう。しかし今年のKOC準決勝でのネタも素晴らしくあと一歩で決勝に進んでいたという雰囲気があった。あるあるネタだけでなく、本来彼らはネタの人である。大原のキャラの圧倒的強さ、憑依型漫才コントはもっと評価されていい。地味にめちゃくちゃ好きなコンビだが、以前のコットンのようにネクストブレイク枠から一歩突き抜ければすぐ上に行くと思う。頑張ってほしい。

ケビンス

彗星のごとく現れたコンビ。TLには彼らのため劇場に通う人も多く見られている。山口コンボイの圧倒的明るさの中に見え隠れする哀愁が魅力的で、彼のTwitterはずっと見てしまう。山口コンボイという最高の食材を仁木氏がどう料理するかというのがケビンスのネタの真髄で、今回決勝に行ったら最もワクワクするコンビである。でも見てるこっちが緊張して気が気でないかもしれない。テレビで活躍している様子も想像できる。
一度決勝に進めば、史上初の片玉ファイナリスト山口コンボイがダウンタウンDXでいじられている様子が容易に浮かぶ。

ななまがり

単独に足を運ぶくらい好きなコンビであり、最近になって知名度も収入もアップしてきていることが嬉しい。他のコンビのネタだったり 映画など創作物から得た発想を自分たちなりに落とし込み、1を10にしていくコンビはたくさんいて、それが悪いことでは全くなく普通である。しかしななまがりはまだ世界にない1を0の状態から作り出す。大阪よりも東京の方が近年ではどこにもまだ無かった発想を生み出す力が携わった芸人が多い。そういう意味で彼らの上京は大英断だった。準決勝、爆発してほしい。誰もまだやっていないことをやるななまがりのようなコンビが評価されて欲しい。

キュウ

彼らまだ決勝には言ってないが、今の時点でもうM-1を変えたコンビとしてカウントしていいと思う。正統派ではない。競技漫才とはぼボケ数、ハイテンポ、誰でも分かるボケである。キュウはその真逆ともいえるネタだが、異色すぎて受け入れられている。スローテンポ、馴染みのない題材、本当にキュウみたいなことをやっているコンビがいない唯一無二の存在である。現在のM-1の競技漫才の恐ろしい速度での多様化を見れば、キュウが決勝進出する姿を想像できる。

からし蓮根

2020年、私はからし蓮根が優勝予想だった。当時の若手を前に出していく風潮や、大男・伊織の無表情ばバイオレンボケと青空の強い熊本弁が大ハマりすると思っていた。しかし初出場の緊張もあってかいつもよりハマらず爪痕を残せなかった。私は大阪の劇場に通っているわけではないため最近の彼らは分からないが、単独レポを見ても過去のネタを超えるのに苦戦していると聞いていた。しかし今年の3回戦は彼ららしいバイオレンスなボケに加えて青空の強いツッコミがはハマっている印象でぬるっと準決勝進出。まだまだ若手なのにM-1においてはべベテランのような扱いをされているコンビは彼らと東京ホテイソンぐらいではないだろうか。もう一度決勝に行って欲しいし、いずれは優勝してほしいと思っている。

カベポスター


彼らのネタは競技漫才とは距離があり、「爆発力に欠ける」との指摘もあった。賞レースで評価される漫才はテンポの良さ、後半に向けての爆発力の有無が審査基準に大きく影響する。しかし昨今のM-1では明らかに評価される漫才の幅が広がり、彼らのようなスローテンポかつロジカル、一つ一つのボケがしっかり強いネタもしっかり評価されると予想する。昨年の敗者復活と準決勝でカベポスターはネタを変えていた。準決よりも明らかに弱いネタをやっていたのは、敗者復活枠で強ネタを使うなら来年の予選などに取っておこうという意向だと勝手に予測している。従来の大会では、彼らのようにスローテンポかつ後半に大きな展開があるわけでもない漫才は高く評価されるものではなかった。しかしM-1という大会の評価基準の多様性により、今年であれば十分評価されるのではと思う。

男性ブランコ

ぬるっと準決勝、男性ブランコ。昨年の敗者復活ではまさかの投票3位を記録し、批判が多い敗者復活の一般投票システムも案外きちんとネタを見ている層によって票を入れられているのだと証明された。確かに去年の準決のネタは素晴らしく、一つ一つのボケがことごとくハマっていた。平井の飄々としたボケ、浦井の冷静かつ的確なツッコミの心地よさが一般層にも十分受け入れられていた。惜しくもKOCでは準々決勝で敗退してしまったが、この最近の勢いも加味すると十分決勝に行く可能性があると思う。

マユリカ

「勢い」はこの中で一番と言ってもいいマユリカ。ラジオ、水着写真集、様々な面でここ2~3年で着実に倍以上のファンを増やしている。ラジオ「マユリカのうなげろりん」の面白さがツイッターにて話題となったのが大きい。彼らはもちろんネタも面白く、3回戦のネタはワードセンスがまさに絶妙。他のコンビが言っていそうで言っていないような気持ち悪さを残しながらも面白いキラーワードの数々。漫才を通して阪本と中谷のキャラが把握できるのも魅力である。準決勝に進んだコンビの中では、決勝に行きそうな雰囲気が最も強いかもしれない。
ちなみに実母は2018年からマユリカの大ファンなので、今年は絶対優勝と意気込んでいます。

コウテイ

昨年は不本意な悔しい結果に終わってしまったコウテイ。2年前の敗者復活で披露した「披露宴」は感動さえ覚えるほど完成度が高く、これで行けないならどうやって決勝に行くんだと思うほどだった。しかし当時とはコンビ間の結束も強くなり、決して仲がいいわけでは無くとも同じ目標に向かってネタを磨き続けるというのは一致している。数年前の3回戦落ちを機に明らかに彼らは変わり、下田をツッコミに回し九条をボケにする、また後半でのボケツッコミの入れ替わりなど常に新しいネタの在り方を模索しているように見える。昨年が不本意な結果に終わっただけに、今年はその実力を十分に発揮してほしい。

令和ロマン

まだ神保町の若手とは思えないほど成熟した話術、ネタの完成度に初見の際は驚かせられた。先日神保町で見た際も明らかに他出演者とはレベルや格の違いが見られ、準決勝には絶対に駒を進めるだろうと思っていた。過去に魔人無骨時代にワイルドカード枠で準決勝の舞台は経験しているが、現在は当時とは全く違う心持ちでネタをすることができるのではないかと思う。余談だが改名は大成功だったと思う。魔人無骨という名前も相当格好よく、非常に魅力的なものではあったが今のコンビ名に改名してからキャッチーさ、「
令和」から感じられる新しさが見られるようになった。今年決勝に行くのは叶わなかったとしても、いずれ絶対にまた決勝に行くコンビである。優勝さえあり得ると思っている。ワイルドカードでの準決勝進出時よりも明らかに一皮剝けて進化した彼らのネタが楽しみである。

かもめんたる

「来年のM-1はかもめんたるが準決に行く」誰が想像しただろうか。昨年、結成14年目で漫才を始め、たった2年目で準決勝に行ってしまう恐ろしさ。コントのキャリアが凄まじいものであっても、それでも出来ることではない。う大はやっぱり天才で、そのステージが漫才というコントとは異なるステージであっても例を漏れないのだと再確認した。何ならKOCの審査員をできるほどの実績がある彼がM-1出場2年目で準決に行けるネタを書けるのがひたすらに恐ろしい。唯一のラストイヤー枠がかもめんたるだとは誰も予想できなかった。

金属バット

ワイルドカードから復活した金属バット。これに関しては前記事で詳しく書いたが、今まで彼らは賞レースに対する熱い思いや悔しさなどを公の場で言葉にすることはしなかった。むしろ、そういった影の努力や苦悩を表に見せないことを美徳としているような印象さえあった。今まではワイルドカード枠で準決勝進出することに対してもあまり積極的な姿勢を見せていなかったが、今年の彼らは打って変わって「復活したい」という明確な意思が見られた。金属のファンではなくても、自分が贔屓にしているコンビではなく金属に投票するという人も多く見られた。主語が大きいのは承知だが、これほどまでにお笑いファンにも芸人にも愛されている芸人がいるだろうか。一時期テレビの露出が増えたことで過去の自主ラジオ・ラジオバンダリーを全て消去してしまった寂しさも、彼らのこれからのためだと折り合いをつけた。最後に彼らがM-1のあの豪華絢爛なステージにせり上がってくる様子をみんなが見たいのだ。それを見れないまま終わろうとしている。あまりにも残念なことであり、あの舞台の上で「あのー、さあ」から始まる気の抜けていながらも鋭いネタをどうしても見たい。
歴代のワイルドカード進出者の中で、決勝に進んだコンビは一組もいない。昨年の滝音は惜しかったような気がしたがやはり及ばなかった。
ワイルドカード枠は強制的にトップバッターを任されるのもあり、敗者復活にも出れない。(もし敗者復活への出場が可能であれば、ほぼ確実に決勝に行けたかもしれないのが悔やまれる) 
なぜ落としたのか、疑問は尽きないが首の皮1枚繋がった彼らのもしかしたらM-1ラスト漫才となる可能性があるネタを見届けたい。例え悔しい結果に終わったとしても、M-1卒業後の漫才師はみな口を揃えて「ネタをやるのが楽しくなった」という。本来漫才というのは4分間にどれだけボケれるか、笑いを取れるかなどと緻密な計算の上で作られるものではない。賞レースというステージから降りたコンビの劇場でのネタは、制約なしに伸び伸びと楽しそうに漫才をしている。金属バットも例に漏れず、むしろ彼らのようなタイプは制約なしに漫才をする方がスタイルに合っている。卒業後、より面白いネタが見れることを期待する。

準決勝に進んだコンビは全員凄い。0.7%とかそういう確率らしいと聞いた。準決勝に進んだだけでもお笑いで食えるようになる世界になってほしい。
できることなら明日の公演終了後から結果発表までの間で各コンビのネタを簡単にネタバレなしでまとめたい。

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ちくわポメラニアン
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