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【朗報】医局を辞めることが決定しました

\ 2022年度をもって、大学病院の医局を去ることが決定しました! /
今後、初心を忘れることのないように、ここに残しておこうと思います。

僕のこれまで


親には苦労をかけましたが、私立の医学部を卒業。2015年に医師免許を取得してから、田舎の野戦病院のような所で2年間の初期研修を行い、急性期のダイナミックな診療に憧れて循環器内科に入局。
その後はいろいろな病院で臨床経験を積ませていただきました。特に、大学の附属病院で教えていただいた事、一秒を争う当直や集中治療で得た貴重な経験は、今の僕の診療の礎になっています。今でもたまにチキンハートですが、だいぶ度胸もつきました。循環器内科という科を選択して間違いはなかったと、心から言えます。

皆様へのご報告


退局予定の2023年3月まで、ちょうど半年を切る2022年9月に、直属の上司(准教授)→医局長→教授の順に辞意を伝えました。大学病院の勤務医として働き続けるのがイヤなのではなく、挑戦してみたいことがあることを前面に話したら、特に慰留されることはありませんでした。
その後両親にも話したところ、多少驚いてはいましたが、僕の挑戦を応援してくれました。

医局を辞める理由


ICU管理、PCI、アブレーション、重症心不全、TAVI・・・
大学に所属する循環器内科医として極めるべき道は沢山あります。
どれもそれぞれの魅力があり、それに人生を賭ける先生方は皆カッコいいです。

「自分は循環器内科医として、何にコミットすれば良いのだろう?」
同期がカテや心不全など道を決めた頃に、僕は未だ自問自答していました。

しかし結局わからず。博士号をとるために大学院に行くことになりますが、お誘いもあり、心血管画像を研究するチームに所属することになりました。

そこで、医療と人工知能(AI)の関わりを知りました。
AI支援による問診サービスや高血圧治療アプリなどは有名ですが、特に画像診断分野ではAIの発達は著しいものがあります。心臓においても同様で、CT画像から動脈硬化を自動で分析するようなAIを開発することを、僕の研究テーマにすることにしました。とてもワクワクします。

僕は新しいものが好きです。そのぶん飽きっぽいですが。
僕が医学部を志した頃、テレビでは京都大学の山中教授が報告したiPS細胞が話題でした。それは高校生の僕にも大きな衝撃でした。下手したら、人間が死ぬことが無くなるのではないかとまで思いました。そんな夢のような熱い分野に飛び込んでいきたいと思ったのが第一のモチベーションでした。そして、そんな熱量で入試の小論文にiPS細胞のことを書くと高得点でした(笑)。こんなに革新的なものが作れて、それが患者さんの役に立つのであれば、なんてやりがいがあるのだろう。心からそう思いました。

時代はコロナ禍で、医療のあり方はターニングポイントを迎えています。
近い将来、皆が病院や薬局に通う時代は終わります。生活に根ざしたヘルスケア、予防医学が重要性を増してきます。
そんな時代に、皆が安心して十分な医療を享受し、健康増進を意識でき、豊かな人生を送る事ができるようになるにはどうしたらいいのだろうか?

これから来るそんな時代に、より良い医療インフラや、診療体系をつくることって大事なんじゃないか?そう思うようになってきました。
そんなときに登録していた求人サイト経由で、一つの会社から募集がありました。偶然にも、まさにこのようなニーズを意識して、医療DXを推し進めるような仕事をしていかないかというお話でした。
何度かお話をする中で、この会社で自分のできることをしてみたいと考えるようになりました。

あたらしい目標が出来たときの、ワクワク感、無敵感。

自分には無謀かもしれないけど、医学部を志望することを決めたとき。怖いけど、循環器内科医になり、生死の間にいる命を助けてみたいと考えたとき。一人でサハラ砂漠を冒険しようと決めたとき。初心者だけど、結婚式でピアノの弾き語りをしてみようと思いついたとき。
どれも、それを決意したとき、背中に羽が生えたみたいに身体が軽くなって、背筋がシャンと伸びて、歩幅がぐっと広がって。いくつかは結果的に失敗することもあるけど、決意したときのその感覚は、新鮮さに満ち溢れていて、すごく気持ちよくて、自分の可能性を確かに感じられ、気持ちが豊かになる。

そんな風に、ずっといたいな。と思います。


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