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おかえりなさい

 先日の「連絡手段はありますか」の後日談です。今年の9月に発行した「珈琲日和12」に掲載したものになります。

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 令和元年、夏。

 四年前に長男が、二年前には次男が上京したので、私はここしばらくの間一人暮らしを満喫していた。
 そんな中、長男が実家に帰ってきた。
 一人の母を心配して・・・というのではなく、ちょっとしたいわくつき、である。
 実は、今年に入ってから音信不通が続き、近くに住む次男に様子を見に行ってもらったり、三月には直接会いにも行ってみたりした。結局この三月には何があったか話しをしたいということで、一緒に帰ることになった。一週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎても東京へ帰る気配がない。どうやら年末になにやらあったらしい。本人が話したがらないのでこちらからは無理やりは聞いていない。
 東京に居を残したまま、実家に居るという中途半端な状況はしばらく続き、やっと七月末に引っ越しが決まった。
 四年住んだ部屋を引き払うとき、何もなくなった空っぽの部屋を見て、いったい息子は何を感じていたのだろう。数回しか訪れたことのない私であっても、感傷的になっていたのだが、本人はいたってクール。まあ母の前ではなかなか感情は出せないのだろうとは思うが。
 そんなこんなで一月からの約半年、色々あった。それでも、やっぱり帰ってきてくれると嬉しいものである。親ばかである(笑)。
 これから先の人生の中ではほんのちょっとの間の出来事だが、いつか笑ってこのことを思い出として話せるときがきっとくることを信じている。
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 こっちに戻ってきてからのことも、少しずつ書いていきたいなぁと思うので、懲りずに見守ってやってくださいね。

短歌のこと、息子のこと、思ったこと・・・。 読書感想文がなによりも苦手だったのに、文章を書くことがちょっとだけ好きになりました。 IgA腎症持ちです。