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2019未来堺大会に参加して~報告書編その2~

開催日程  2019年8月24日(土)~25日(日)
会  場  ホテル・アゴーラリージェンシー堺
大会テーマ 「与謝野晶子とわたし ~晶子から何を受け継いだのか~」
第二日目

(1)一般社団法人未来短歌会2019年度総会
 世間一般的な活動報告でした。
 決算報告と予算決議、定款の一部改正などがありました。
 詳細は省略します。

 いつもなのかわからないけれど、総会の間も笑いがあり、なんともほのぼのとしたものでした。
 未来に入ってよかったなぁと改めて思いました。(そこかい?)

(2)歌会1
 参加者全員の短歌を三部に分けて全員で読んでいきます。
 それぞれ選者を含む7名が登壇し評をしていくとスタイル。
 1つの歌に登壇者2名が評をしますが、途中でほかの登壇者や、会場にいらっしゃる選者が意見を言う場面もありました。
 
 さて、詠草ですが、どうやら事務局に到着した順番に並んでいた模様。
 私のは1で読んでいただける23という番号が付いていました。

 慢性と冠つけば主治医との夫婦のような惰性が続く 知己 凛

 偶然にも池田先生と大島先生に読んでいただく順番でした。
 池田先生には「面白い」という第一声をいただきました。
 冠と惰性のどちらかをとるとすれば、「冠」ほかの表現でもいいかもしれない、と池田先生。
 逆に大島先生は「惰性」が要らぬ、と。
 単純に数か月に1度定期検査をしたあとの主治医の問診で代り映えしない話をする場面を切り取ったものでしたが、面白いと言っていただけたのはとてもうれしかったです。


 1で印象に残っていたキーワードをいくつか挙げます。

 ・一本杉のイメージは人それぞれ違う
 ・「置いといて」の助詞の使い方はこれでいいのか

  →昔のお笑いでの使い方のままでいいじゃないか
  池田先生と黒瀬先生の「置いといて」のジェスチャー入り
 ・たいらげるという動詞の是非
 ・水気はよくない

  →色気もよくない「気」はよくない
 ・バッハは使いやすい
 ・異邦人ではなかったかの解釈

 この中で「バッハ」の使い方についてはとても勉強になりました。「3音」ということで使いやすいのはわかるけれど、場面によってはハチャトゥリアンとかムソルグスキーとか使ってみるといいのかもしれないなぁと。一般艇にバッハやベートーヴェン、モーツァルトあたりは使いやすいですもんね。( ..)φメモメモ

(3)歌会2
 お昼ご飯を挟んでのこの回は、一番眠くなる時間なので頑張りましょう、と司会者だったか登壇者のおひとりだったかがおっしゃっていました。
 とっても楽しかったので眠気は全然来なかったですけどねっ!

 2のキーワード

 ・撃墜王の意味
 ・あやとりの0
 ・カゴメケチャップの印象
 ・宇宙飛行士の軌道とは

  →宇宙船ならわかるが
 ・ナビの軌跡は今なのか過去なのか

 歴史的に「撃墜王」という名で知られた方がいらっしゃるというのは知りませんでした。この歌はそれを言ったわけではないかもしれませんが、そこの白熱した議論はなるほどと思いました。
 あやとりの「0」は、「レイ」と音読されていたのですが、私は「ゼロ」とした方がよいのでは、と感じました。「レイ(零)」わわずかながらあることを意味し、「ゼロ」は全くないことを意味します。たとえば「0.01」を読むときは「れいてんれいいち」と読みます。「ぜろてんぜろいち」とは読みませんよね?あやとりの糸が「存在している」ので「レイ」と読んでもおかしくないのかもしれませんが、ちょっと違和感を覚えました。どちらかというと、読み方よりも「0」の形が元に戻ったという意味で使われていたみたいですが。
 カゴメケチャップの流動性まで読み取られていたのには驚きました。ケチャップのメーカーを流動性を考えて買ったことがないのでこの評はとても新鮮でした。

(4)歌会3
 コーヒータイムを挟んでの最後の歌会は、後半が登壇者だったので、ためになるものがいっぱい詰まっていました。

 3のキーワード

 ・「ある日」とはいつか
 ・男の子の性質
 ・バスクリンの色は何色?
 ・カプチーノの効果
 ・髪の子とは

 ある日が日常的な日なのか、在る日(亡くなったころのこと)なのかで情景が変わります。でもどちらの解釈でも大きく全体の歌の印象は変わらないので、「ある日」という表現があいまいなのにちゃんと立っているところはすごいなぁと思いました。
 男の子の性質を詠まれていた歌があったのですが、我が家の息子たちはあまりそういうことがなかったので違和感。ひねくれものなので、一般的に男の子ってそうなんよねとか女の子はこうだよねというのは賛成しない派です。私自身がおてんばだったからかもしれません。
 バスクリンの色で思い浮かぶ色って人それぞれ違うから、登壇者が何色よ?と議論していたのが面白かったです。
 カプチーノの歌は、ちょっとしたひと時を表すのにカプチーノを持ってきたのがよい、と評されていました。昆布茶とかだと途端に雰囲気が台無しになる。なるほど!飲み物一つで景もかわるのだ!というのがとてもよくわかる歌でした。
 髪の子が誰を示すのかで読みがわかれていました。31音の中で説明すぎにならないようにするにはなかなかに難しいですね。

 (5)全体を通して
 欠席の方がいらしたので、100首弱の歌を一気に読む歌会はとても勉強になりました。
 登壇者ごとに鑑賞の仕方が違っていて、ああ、こういうふうに歌の傷を許せるかどうかで判断されていくのだなと改めてわかりました。
 実際、自分が読むときにも、好き嫌いもさることながら、これってどういう意味だ?とかどう読めばしっくりくるんだ?この言葉に置き換えたらどうだろうとか考えながら読みますし。それって傷を許すかどうかみたいな判断を勝手にしているのかもしれな、と気づきました。
 スピードが速かったので、たくさんのことがメモできませんでしたが、一首一首のキーワードになる箇所には印をつけることができたし、何よりたくさんの歌を読むことで少し上達した「気」になっています。
 詠みたい熱がふつふつと湧き上がってきました(といっても帰ってきてから数首しか詠んでいませんが(笑))。

 来年の大会は「徳島」とのこと。大阪に続いて近いので、来年のスケジュールにはすでに埋め込んでおきました。
 また楽しい大会でありますように・・・。

 さて、次回は、番外編として懇親会や二次会、大会終了後のこと、お会いできた方々のことを書こうと思います!

短歌のこと、息子のこと、思ったこと・・・。 読書感想文がなによりも苦手だったのに、文章を書くことがちょっとだけ好きになりました。 IgA腎症持ちです。