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アルバム「放生会」(椎名林檎)

椎名林檎さんの最新アルバム「放生会(ほうじょうや)」を購入しました。tenso.comの転送サービスに頼んで、アマゾンジャパンから合計10日間かけて、こちらに届きました。

もしかして、僕も今期ドラマのある主人公のように、記憶を失って、椎名林檎さんのことがわからなくなっていたら、このアルバムを買わなかったかもしれません。アルバムのクオリティーに関わらず、そもそも、僕はあまり新しいアーティストの曲を聞かないですから。でも、椎名林檎さんがまだ新人の時のアルバムからずっと聞いている僕にとって、「そのとき感じた強い気持ちは残るのだ」という思いだけで買うということも、説得力がある理由になると思います。

もちろん、買ったのは正解でした。文字の数になにかこだわりがある椎名さんは、全部五文字のタイトルの中で、宇多田ヒカルさんとの「浪漫と算盤」という曲を中心に、1、3、5、7、9、11、13のコラボ作品と2、4、6、8、10、12のソロ曲で、このアルバンを編成しました。コラボの歌手それぞれのスタイルを通して、椎名さんの曲と歌詞のメッセージを表していて、独特のアルバムになっています。

アルバムのタイトルさえ読めなかった僕は、「歌詞の意味がわかる!」とあえて主張していないですが、たまに、一つでも二つでもなにか共感できたら、それで大満足です。

「生者の行進(a procession of the living)」の最初は英語の歌詞です。

“Humans are creatures by nature
Born with always craving more
That’s true, but hey sun child
Your wants getting weaker
You keep forgetting day by day

Birth cries are wildness made perfect
They’re the very will of life
That’s true, but hey moon child
Your voice getting weaker
You keep losing it day by day”

オフィシャル動画で、こういう日本語字幕がついています。


人間とはただの動物である
欲そのものとして生まれる
それは事実だがさあ日の子
この欲は弱まってゆくもの
お前は日々忘れ続けるのだ

産声とは完璧な野生である
命による意志表示そのもの
それは事実だがさあ月の子
この声は弱まってゆくもの
お前は日々失い続けるのだ


(日本語翻訳のセンテンスそれぞれの文字数が同じだと気づいたのはこの文章を書いている時でした。)

「欲」も「声」も成長に従って弱まっていくのを、「生者の行進」というタイトルで形容したのは、興味深いです。かつて30代だった僕は、「欲を抑えられることは成長の証だ」と信じていました。その時にまだわからなかったのは、歌詞に書かれている「欲そのものが弱まっていく」ことです。つまり、年を取ったら、欲自体が消えてしまうので、抑える必要もなくなります。僕より一つ年下の椎名林檎さんは、こういう気持ちを曲を通してちゃんと表してくれています。

ちなみに、アルバムを買ったもう一つの理由は、今年開催されるツアーのチケット予約のためです。アルバムにシリアルナンバーがついていて、来月からそれを使って予約できるらしいです。12月15日の福岡コンサートに行きたいですが、外国人の僕が予約できるか、来月になったらわかります。

「行けたらいいなあ~」って感じているのは、僕の「欲」はまだそんなに弱まっていないということです。50代になるまえに、引き続きわがままさせていただきたいです。

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