リクルートのDNA 起業家精神とは何か

起業/事業家の輩出企業・リクルート。「事業をつくるとか何か」、創業者 江副浩正さんの考えに触れたくて手に取った一冊。(内容としては過去の回想録になっており、最後まで通読していない)

個人の尊重

人はそれぞれに違いがある。得意なことと不得意なこととがある。その違いを積極的に認め、各人が得意なことを組織に提供しあって大きな成果を上げていくことを目指す。もっとも、多くの場合、人はやりたいことと、できることとは違う。自分が思っている自分と、人が見る自分とも異なる。単純に個人を尊重するのではなく、そのギャップは埋めなければならない。

そして、個人の想い・考えは積極的に意思表示しなければならない。人との関係をうまくいかせるために、メンバーをよく理解しようとすることに熱心になりがちだが、それより自身の考え方、人格までもメンバーによく語り、自らを理解してもらうことが優先されるべきである。周囲の人から「あの人は何を考えているのか分からない」と思われている人には、人はついていかないし、協力はしない。

また、一人でできることには限界があることを理解する。大きな仕事をするには、自身の弱みを知り、自分の弱いところをカバーしてもらえる人とのネットワークを構築して、ともに働いて高い成果を上げることが重要である。

自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

易経の「窮すれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し」を人生の指針の一つにしていた。その言葉をもっと積極的に表現したのが、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」である。

上司がいけてない、担当顧客に運がない、タイミングが悪い、これらの機会は(相当な恣意が働いていない限りは)すべての人に平等である。高い業績は、それを達成しようとする執着心をその人が持ち続けるか否かにかかっている。業績達成への能力は、上司に育ててもらうのではなく、自らが自らを育てていくものである。

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