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【G1@Clubhouse㊷】あれから10年(後編)〜社会インパクト投資と今後のビジョン

3月11日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㊷の内容のポイントをご紹介します。*本記事は2021/3/12に公開した知見録の記事を転載しています。

テーマと出演者

テーマ:「あれから10年(後編)〜社会インパクト投資と今後のビジョン」

出演者:藤沢烈(一般社団法人RCF)、山中礼二(KIBOW)、小尾勝吉(愛さんさんグループ)、藤沢久美(ソフィアバンク)、佐藤大吾(NPO法人ドットジェイピー)、鈴木賢治(夜明け市場)、早瀬渉(ラポールヘア・グループ)、松原良輔(SCHOL)、松本知之(Rennovater)、森剛士(ポラリス)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)社会インパクト投資とは?

・経済的リターンだけではなく、社会や環境が良くなる成果を同時に生み出す投資。

・震災後、KIBOWに集まったお金をフェアな形で配分してきた。現地の方に手を挙げてもらい、投票する形で100万円、50万円等を配分していった。それだけでは足りないと考えて「社会インパクト投資」という概念に出会った。2007年くらいに海外で出来た概念。

・ロナルド・コーエン卿がApaxを引退した時に始めたのが社会インパクト投資。社会起業家は資本が足りないからそこにエクイティ投資をしていく。必要なことはお金と同時に経営のノウハウと人的ネットワークを付加していくこと。

・イギリスで社会インパクト投資が始まったのは、日本と同じように休眠預金口座が課題だったのでもっと有効活用しようとなった。そのお金を元にしてやる時にやってはいけないことは、寄付としてばらまいちゃいけない。重要なことはエクイティとして投資をして持続可能な形としてやっていくこと。日本の休眠預金口座は法制化されたがほとんど助成金として使われている。エクイティサイドで社会起業家を後押しして、結果として持続可能な形で大きくしていくことを社会起業家の分野の中で進めていくことが重要。

・社会起業家の問題点は、規模が小さい、ほとんどがボランティアワーカー、寄付モデルが多い。結果として大きくならない。規模化を図らないと日本の社会起業家は育っていかない。

・2015年にKIBOW社会投資ファンド1号を立ち上げ、東北の事業者をはじめとする約6000万円を投資した。

・2018年に2号ファンドを5億円で設立。

2)KIBOW社会インパクト投資の実例

・愛さんさんグループ(塩釜):宅食・老人ホームやデイサービスを提供、障がい者を雇用。
・ラポールヘア・グループ(石巻):育児や介護等、時間に制約がある女性の美容師を雇用。
・47PLANNING(福島県いわき市):復興夜明け市場での飲食店街成功を皮切りに他地域に展開。
・ポラリス:要介護の方を元気にする「自立支援型」のデイサービスを展開。
・manaby(仙台):障害者の就労を実現するためのITスキルを、e-Learningで学ぶことができる就労支援事業を展開。成功裏にExitした。
・Rennovater(リノベーター):低所得者の方に良い住環境を提供。
・SCHOL(スカラ):奨学金のマッチングサイト、管理システムを運用。

・ノウハウとお金を投資しその会社が伸びることで、社会全体が良くなっていく

・社会問題を解決していくためにそこに飛び込んで行った起業家の方々に、お金・ノウハウ・信用・ネットワークの面で価値を提供していく

3)今後の東北及び社会インパクト投資のビジョン

・休眠預金は助成金のように使われているのでもっとエクイティ投資に使われることが望ましい。

・社会的インパクトを経て良い社会をつくっていくと同時に、リターンを生み出すには社会的価値を生み出すサービスを提供しなくてはいけないので、経営チームをつくり規模化を図っていく。今までの10年は復興、これからの10年は成長。人材・起業・社会の成長を図っていく。