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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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#眠れない夜に

【絵日記#こんコロ-DAY100】 真夜中のスポーツドリンク

文 掛田智子 絵 ちから 激しい喉の乾きに目が覚めて キッチンに向かう そうだ 今夜は飲み過ぎたんだった 真夜中にスポーツドリンクをボトルにつめる 半分飲み 残りは枕元におく スポーツドリンクの甘さを 予想していなかった体がびっくりしている 味覚というセンセーションに無防備だった アルコールで渇いた身体にうまい具合に染み込む また無理をさせてしまった 自分の身体への反省ののどごし

【絵日記#こんコロ-DAY86】 夏の日の早い朝の朝

文 掛田智子 絵 ちから それでもなお 夜中に目覚めトイレに行かなければならない できれば避けたい事象だ 何が嫌だって まず寝ぼけた頭で起き上がり トイレに向かう せっかくの継続した平和な眠りが 一時途絶える 電気をつける これで脳が覚醒してしまうばかりか 見るはずのないものまで 見てしまう 気がする しかし せっかくのあと数時間ある眠りを クオリティを出来るだけ高くするため 決断を迫られる 早い方が良い それでもやはり できれば避けたい事象だ

【絵日記#こんコロ-DAY83】 疲れのブロック

文 掛田智子 絵 ちから 好調に推移してきたので 自分にどれだけの疲労の塊があるのか 把握できないことがある 塊なので太刀打ちできない 歯がたたない じわじわと忍び寄り 襲いかかる時は早い 静かに そして早く捕まえる さまざまな器官に働きかける この人は疲れています と 目が今ものすごく重い

【絵日記#こんコロ-DAY74】 いつも人の顔色を見ていますね

文 掛田智子 絵 ちから そう小学校の先生に注意された 何かをグループでやるときに 班のメンバーの顔ばかり見ていると 自分の意見に集中しなさいと 私はそれから少しずつ変わって 同じ班の藤井くんや加藤さんや 他の人の意見だけではなくて 自分を持つようになった それでもやっぱり 人は見てしまう 人がどう感じているのか 何を思っているのか 感じすぎて心が疲弊する その結果自分の心配と 人への心配が交わり合って 結局何に心が痛んでいるのか 自分でも整理がつかない始末 自

【絵日記#こんコロ-DAY72】 ホシ スジ イボ

文 掛田智子 絵 ちから 子供の頃は体に不思議がたくさんあった 爪には白い点がたくさんあり それはホシと呼ばれ 幸運の印であるため その部分を切るときには願い事をつぶやいた たくさんの願い事が叶えられた 手の甲には直径1ミリのイボみたいなのがあって いつもこりこりして遊んでいたのだけど いつの間にか無くなってた いつ無くなったんだろうか 右手人差し指の爪には縦にスジが入っていた 切っても切っても スジは存在し続けた でも無くなった いつ無くなったんだろうか お尻

【絵日記#こんコロ-DAY69】 マインドフルネスとはよく言ったもんで

文 掛田智子 絵 ちからくん 自分がおこなっている事に対して どれだけ集中できているか どれだけこころでとらえているか 食べていても食べていないし 身体は食べているけど 食べているのではなくて考えていたり お風呂に入っていても 身体は入っていても 明日のスケジュールのおさらいしていたり 電子機器の画面を見ながら サンドイッチを水で押し込む もうそんな生き方いやなんです もう流れゆくやらなきゃいけない事に 心奪われて 私の肌や あなたの髪や 両親の目や 雨のにお

【絵日記#こんコロ-DAY68】 ほんの少しだけ

文 掛田智子 絵 ちから 電車の中でうつらうつら なんで気持ち良いんだろう ああ ここで目を閉じてしまうと やばいのではないか でも吸い込まれる 次の駅で私は降りる まさか眠ったりしないだろう あの なんだろ 三角のイメージ 白いシャツを着ている あの人が醤油ラーメンを 醤油ラーメン 行列のできるラーメン屋 電車がゆっくりと止まる でも醤油ラーメン 白いシャツ いや少しブルーかかっているかな 西荻窪 西荻窪 私の駅 あわてて膝に置いている鞄をつかむ つかめない 夢と電車