加藤 昌治著 「考具」
この記事では最近読んだ本、加藤 昌治著の「考具」を要約します。
漠然とではありますが、私たちはありとあらゆるシーンで考えることが求められます。考えること、アイデアを出すことが仕事なのに、
そのための道具がない!道具の充実度が低い!ということが多々あります。
この本はあなたに考具(考えるための道具)を与えてくれます。
あなたのアタマはアイデアの貯蔵庫、企画の工場となるでしょう。
「全然アイデアが出てこねえ」「あの人はポンポンいいアイデアが出るな」と思った方は必読、ぜひ読んでみてください。
まずはじめに、著者の明確な主張3つを提示します。
① アイデアマンになれるかどうかは後天的!
良いアイデアを出せるか出せないかはトレーニング次第です。置かれた環境よりも自分の意識が大事ということです。
② 0から生まれるアイデアなんか無い!
アイデアというのは既存の要素の新しい組み合わせ。
新しいアイデア求められ、誰も思いつかない「新」を探している時点でアウト。どんな革命的なものも、既存の製品を組み合わせたものだと割り切りましょう。
③ 良いデザインは「わがまま→思いやり」の順番で生まれる
目の前にある課題に対して、あなたはどうしたいのか?というのがアイデアの出発点。その上で、周りがどう使うかをチェックしたものが良いデザインです。最初から周りがどうの状況がどうのと考えるのは、アイデア誕生を殺すものとなってしまいます。
ここから、実際に著者が使っている考具(考えるための道具)を紹介していきます
information (情報)を頭に入れるための考具
① ちょいメモ
人間はとにかく忘れてしまいます。ふと気になったことはいつ出番がやってくるかが分かりません。そこで大事なのが少しメモをすること。メモすることの効用は頭の中にあるものを外に出すことです。また、絵の要素を取り入れると、簡単に全体像を把握することにつながります。たかがメモ、されどメモです。
② フォトリーディング
1冊の中で、本当に意味のある重要な部分は4%〜11%だと言われています。よって、順を追って最初から最後まで読むのではなく、自分にとって大事だと思う情報だけを探す、というのがポイントです。フォトリーディングとは活字ページを読むのではなく、画像として取り込むかのように数十倍のスピードでインプットする手法です。必要箇所のみを美味しく頂戴する姿勢で読めるようになるでしょう。
アイデアを拡げるための考具
イベント製作ではよく「仕込みが8割、現場が2割」と言われています。情報を取り入れ、それらを拡げることが必要です。
① マンダラート
新商品企画のマグカップについてアイデアを出さなければいけないとしましょう。下記に図のように手がかりになりそうなアイデアを書いていきます。
このようにマンダラートでは、「8つのセルを埋めなければならない」という少しばかりの強制力によって頭を回転させるという手法を使っています。これが横罫のノートでも8つの切り口を出せたでしょうか?また、以下のようにさらに展開するのもアイデアを詰めていく上で有効的でしょう。
② オズボーンのチェックリスト
アイデアは作り出すものではなく、探す、見つけるものだということは理解してきたでしょうか。オズボーンのチェックリストは基本パターンに還ることでアイデアからアイデアを引き出します。チェックリストは以下のようなものです。
転用したら? 現在のままでの新しい使い道は?
応用したら? 改良をしたらどうなるか?
変更したら? 色や形、意味を変えたらどうなるか?
拡大したら? 大きくする、長くする、頻度を増やしてみる
代用したら? 代わりになる人やモノを探してみる
逆転したら? 上下左右、役割など、反対にしてみる
結合したら? 混ぜる、合わせてみたらどうなるか
アイデアを企画にするための考具
アイデアは企画になっていないと使えません。そのため、条件やニーズを合わせていくことが必要です。
① 5W1Hフォーマット
企画を固める上で一番基本となるのが、5W1Hフォーマットです。
WHAT 何をやるのか?
WHY なぜやるのか?
WHO 誰がやるのか?
WHERE どこでやるのか?
WHEN いつやるのか?
HOW どうやってやるのか?
ありきたりで誰でも知っているフォーマットですが、これを「アイデア→企画のための考具」として捉えるとどうでしょう?大事なことは、わがまま→思いやりの過程で妥協しないことです。
② タイトル
第一印象はやはり大事で、聞く人の想像力を呼び起こします。企画を練る時に一言で全容への理解度を高めることにもつながります。下記の写真は少ない文字で企画の全容を伝えている良い例でしょう。
ここまで、多くの考具を紹介してきましたがその上で大切なことは、自分オリジナルの考具を作ることでしょう。インプット系の考具、アウトプット系の考具で分けて考えると便利かもしれません。
著者は引用で「成功するためのノウハウはすでに明らかなのに、実際に行動に移す人は1%程度しかいない。だから成功するのは簡単」だと述べています。機会があるときに考具を使ってみてください。
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