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「珈琲」のお話

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高校生の頃から喫茶店に通うkiyoくん。cafeはkiyoくんのパワースポット。cafeで出会った人達とのあれこれを綴ります
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2020年12月の記事一覧

見知らぬ人から

よく行くスターバックスがある。そのお店のカウンターで、いつもドリップ珈琲を注文する。ある時にバリスタさんから「kiyoくんに他のお客様から預かりものがあります」と英字新聞を手渡された。ドキドキした。友人知人には英字新聞を読む人はいない。僕も読む習慣は無い。 何かメッセージはないかとページの間を探すが何も無い。暗号の様なモノはないかと逆さに新聞を見てみたり、光に透かしてみたりするが何もわからない。ひょっとしたら、スパイが渡す相手を間違えて、僕は事件に巻き込まれたのかもしれない

パッチ論争

僕が高校生のころから通っている喫茶店がある。ハンバーグ定食が有名で半熟目玉焼きをハンバーグに乗せてその上からトマトケッチャプソースをたっぷりとかけてくれるのがたまらない。 もう、通いはじめて30年以上になる。結婚する前に奥さんをこのお店に連れて言った時に、「あんた、はじめて女の子連れてきたな」とママさんが言ってくれた。 そのお店は住宅街の中にあるのでお客さんはご近所の常連さんが多い。寒い冬の日に、中年の男性客が数人カウンターで珈琲を飲みながら、マスターと話をしている。僕は

ある珈琲店マスターの話

 僕が以前住んでいたマンションから、歩いて5分くらいのところにcafeがある。自宅のガレージをセルフリノベーションでcafeにして、客席は6席程。ヤマハの古い大きなスピーカーから会話にじゃまにならない、丁度いい音量でいつもJAZZが流れている。珈琲は自家焙煎。定年してからマスターが大坊珈琲等の有名店を巡って自分で勉強したそう。珈琲の一杯の値段はとても安い。それにもかかわらず、マスターは「本当は100円、いや無料で皆さんに振る舞いたい」と言う。その隣でママさんの目がキラリと光り