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逸品一筆

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何と言っても、グルメは最高ですね。このマガジンでは、「これは、旨い!」と叫びたくなるほどの和洋中の逸品を具にご紹介したいと思います。ホテルレストランや町場の食事処の逸品を、是非、… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

栗おこわ風に挑戦・・・

 お陰様で、オフィス内は旬の味覚の代表格である「栗」の香りが充満している。それも、熊本県山鹿市菊鹿町番所の栗。  お土産に頂いた「栗団子」は最高だった。次なるものは、栗ご飯を作ろうということになった。  餅米がないので、栗おこわは出来ない。そこで、冷蔵庫に保存している餅をスライスして、炊飯器に米と一緒に炊くことで、何とか栗おこわ風にしようかと。  出来上がりは、写真上の栗おこわ風のものである。塩味も爽やかに、栗の甘みに包まれた、美味しい「栗おこわ風」のご飯となっていた。

栗団子・・・山鹿市菊鹿町番所

 親しい知人の地元からの贈り物。  写真下の栗は、菊鹿町番所の知人実家の山で獲れたもので、母親手作りの栗尽しの栗団子である。  早速、栗がぎっしり詰まった団子を頬張った。団子の分厚い皮が絶妙な食感であり、旨い。更に中身に噛み付くと、ゴロゴロと栗が隙間なく詰まっている。1個80グラムで、どっしりと重みのある栗団子。  甘味も程よく、若干塩気を感じる皮が、それを引き立てている。写真を撮って、1個でお茶しようとしたが、結局、3個食べてしまった。  自然豊かな山鹿市菊鹿町。上

「日本料理えのきぞの」で、Well Done Cross-media月例会開催!

 「日本料理えのきぞの」で、Well Done Cross-media月例会を行った。  普段は、毎週一回のZOOM研修会なので、face to faceでのコミュニケーションは、双方の肉声も直接聞くことができ、画面の向こうの表情とは全く異なる。  研修会参加者は皆20代。よって、食欲旺盛であり、料理長から差し入れて頂いた「ただし巻き卵」や「海老クリームコロッケ」も一瞬にして無くなった。  同店のランチやディナーは、いつ足を運んでも、心尽くしの料理ばかり。逆に恐縮するほ

琥珀色の珈琲に魅せられて・・・

 熊本で名物老舗珈琲専門店となれば、「珈琲アロー」(店主 八井巌さん)である。「同店を知らぬ人は珈琲通とは言えない!」と豪語する人もいるほどだ。  八井さんとの出逢いは、新聞社時代に遡る。同店は1964年創業で、熊本県内では珈琲専門店の魁(さきがけ)であった。  新聞社を経て起業後、ネット事業を開始して29年目に入る。過去記事の整理をしている中で、何度も取り上げた「琥珀色の珈琲」をデジタルアーカイブとしてご紹介したい。  店主の八井さんとは40年ほどのお付き合いだが、ご

秘密を守るホテル、「The Carlyle」。

 個人情報漏洩をするホテルは、ホテルと言えないが、秘密を守るホテル、セレブや世界の要人が安心して利用している五つ星ホテルが、ニューヨークシティのマンハッタンに存在する。  その名は、「The Carlyle」という名門ホテルである。部屋料(1泊)が100万円とか300万円とか当たり前の超高級ホテル。安くても18万円ほどである。  熊本市内であれば、皇族や要人が利用するインペリアルルーム的な部屋があるにはあるが、「The Carlyle」の最安値の部屋料と同じくらいとなる。

日本料理えのきぞの 連載(2)

▼前菜 甘長唐辛子の白和え 海老 ぜんまいくるみ和え 枝豆 鯛けんちん 鯛の子玉じめ 鮎甘露煮 丸十  和食は、前菜で決まる。懐石料理では、八寸が料理人の腕の見せ所でもあり、その飾り付け、盛り付けが、食する我々を魅了する。  今回の「日本料理えのきぞの」の前菜は、写真上の通り。  中でも、「甘長唐辛子の白和え」や「ぜんまいくるみ和え」は、手作り感満載にて、料理人の優しさがダイレクトに伝わってくる。  微妙な苦味やえぐ味といった自然の恵みを頬張る時ほど、至福の極みを感じ

日本料理えのきぞの 連載(まとめ)

 久しぶりに取材で立ち寄った、「日本料理えのきぞの」。筆者のグルメ歴の中で、特筆に値する食事処の一つとなっている。  他の食事処に誤解を与えるかも知れないが、筆者が食事処を選ぶ際に最重要視するのは、ハードのゴージャスさや演出や派手さではなく、その「匠」なる料理人の人格である。  よって、どんなに腕が良くても、どんなに成功裡に営業していようが、格好良かろうが、日頃の所作を見て、その料理人を「匠」と認めない筆者がいる。  命を繋ぐ「食」において、枝葉の部分の演出や見栄えなど

日本料理えのきぞの 連載(9)

 今回の「日本料理えのきぞの」の最後の甘味(もも)がサーブされた。  思えば、鱧も鮎も桃も今年初物であり、如何に、日々食への拘りを忘れていたのかと、ザ・夜食依存型のライフスタイルを反省したのであった。  先般、テレビのニュースで、インド人の夫婦だったか、日本の美味しい桃は自国ではレアなるもので、なかなか入手できないと言って、購入した桃をバッグから取り出して、ニコニコ笑っていた。  今の桃は、品種改良が進み、とろけるように旨い。ホテルレストランのパティシエも一個ままの桃の

日本料理えのきぞの 連載(8)

 さてさて、念願のご飯にありつける。  サーブされたのは、鮎寿司と味噌汁。大好きなガリが添えられている。連載(7)でプレゼントされただし巻き卵が胃袋を満たしていたので、お腹パンパンの状態だが、鮎寿司となれば別腹である。  軽く炙った鮎寿司。何も付けずに食し、甘味を残して、最後のご飯となった。いやはや、久しぶりの和食コース料理。素晴らしい流れである。  ガリを食し、最後に熱々の味噌汁を頂く。同店の味噌汁は格別であり、最後の一滴をごくりと飲み干し、甘味を待つことに。 ▼お

日本料理えのきぞの 連載(7)

 今回のコース料理は、鱧が主役で、〆に鮎が来るらしい。よく考えてみれば、山川海の幸の完全食となっている。  これまた、さっぱりした焚合(穴子 白だつ)である。いろんな料理法で仕上げられた鱧料理を一度に食したのは初。結局、一人で一匹食べてしまうことになるのかと。  突然、料理長から同店人気のだし巻き卵がプレゼントされた。相方が「これは旨い!いやあ、これは旨い!」と絶賛するように、ふっくらと甘めのだし巻き卵の美味しさには驚かされた。  話を聞けば、テイクアウトもあるようなの

日本料理えのきぞの 連載(6)

 今回は、焼物(マナガツオの柚庵焼)である。  器の中央の茗荷の酢漬けが気になり、マナガツオに箸を付けるか、茗荷にするか、一瞬頭の中で悩んだが、マナガツオを先に食し、茗荷で〆を考えた。  脂がのったマナガツオ。風味良く、濃厚な味わいである。酒を呑んでいないので、ここは熱々の白ごはんが欲しいところであるが、我慢。  どうも、同店カウンター横に並ぶ酒類に目が行き、冷酒でもお願いしたい気分となってしまう。これまた、我慢。 ▼お品書き(2023年8月31日) 先付  長茄子

日本料理えのきぞの 連載(5)

 中央の胡麻豆腐(写真下)が主役の箸休め(冷製南禅寺蒸し)。  胡麻豆腐と言えば、滋賀の月心寺の故村瀬明道尼の作る胡麻豆腐を思い出す。吉兆のご主人も絶賛した、絶品として当時は話題となった。  NHKドラマの主人公としても紹介があった、月心寺の故村瀬明道尼。以前、同寺まで足を運び、精進料理を食したことがあったが、筆者グルメ論のの精進料理の原点となっている。  今回食した、「日本料理えのきぞの」の胡麻豆腐。味はさっぱり目だが、密度の高い胡麻豆腐であった。ひんやりとした胡麻豆

日本料理えのきぞの 連載(4)

 向付(鯛 鱧の湯引き)として、風変わりな器でサーブされた。  厚みある鯛の身はプリプリとしており、ワサビを少々トッピングして紫(醤油)に付けて食すと、熱々のご飯が欲しくなる。しかし、我慢、我慢。  湯引きの鱧は、吸物の鱧とは食感も異なり、梅肉との取り合わせで、口の中がさっぱりする。  熊本県は鯛も鱧も名産で知られるが、大阪でランチで食した「鱧のおとし」が1万円を下らぬ高価なものであるのには、驚かされた。  さてさて、次なる料理は如何なるものかと、ノンアルコールビール

日本料理えのきぞの 連載(3)

 三番目にサーブされたのは、吸物(焼き鱧 ジュンサイ)である。  和食の「命」なる、出汁。同店の吸物は、繊細にて優しく、最後の一滴まで飲み干したくなるほどの逸品である。  今回の具材は、鱧とジュンサイ。出汁と具材が織りなす季節感のある吸物であるが、このような吸物であれば、毎日でも頂きたい。  食卓の上に、ドーンと大皿で出される料理もダイナミックで良いが、一つ一つの器をも楽しめる和食は、世界広しといえども、唯一無二なる和食ならではの醍醐味ではなかろうか。  鱧の骨切りは