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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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#四川料理

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

あの人に会いたい・・・善家 繁

 現在、ICTやホテル文化と食文化、私塾「Well Done」主催、取材など、コンサルティング業務を主軸として日々活動している筆者である。  実は、ホテル文化と食文化の基礎を築いてくれたのが、当時、熊本ホテルキャッスル四川料理 桃花源の料理長(最終職位:同ホテル常務取締役兼総料理長)であった善家繁(ゼンケシゲル)氏との出逢いであった。  元々、食文化については、ICTを本業としながらも、自分なりに研究を重ね、和洋中いずれも、五つ星ホテルレストランから町場の人気レストランま

四川料理 桃花源のランチを思い出す。・・・麻婆豆腐だけで、ご飯3杯は軽い!

 四川麻婆豆腐は、分かりやすく言えば、痺れるような痛みと刺すような辛さのダブルパンチとの闘いになる。独特な山椒の痺れは、最初は度肝を抜かされるが、慣れれば癖になる。豆腐のとろみとひき肉にまとわりつく、辣&麻。キーボードを叩きながら、既に額には汗が滲み出てきた。  遅ればせながらの紹介となったが、料理写真は四川料理 桃花源(熊本ホテルキャッスル地階)のランチで撮影したもの。現在、四代目の早川料理長が若手料理人を引っ張って、先輩たちから秘技を受け継ぎ、不景気に強い食事処として、

幻の高級中国料理『満漢全席』・・・レアなる食材に参加者全員腰を抜かす!

 2004年4月24日、熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源にて、筆者が主催した『満漢全席』。そこで凄腕を披露したのは、当時の同ホテル総料理長 善家繁氏であった。  善家氏曰く、「これが国内最後の『満漢全席』ですよ!」と。参加したのは、筆者を含めて十人。よって、国内最後、県内は勿論最後の『満漢全席』を食したことになり、熊本県では県民180万人に対して僅か十人のみとなる。  想い出すだけで、感激と驚きにて鳥肌が立つほどのレアな食材ばかり。熊の手の調理方法を北海道や東京から

料理写真は、全て記憶に残る。・・・瞬間的に香りや食感、味、そして笑顔を思い出す。

 時折、取材した料理写真の整理をしながら、気に入った写真を適当に選び、『極上グルメ百選』にまとめることがある。  左上から右へと進むと、1)ザ・リッツ・カールトン東京 『日本料理ひのきざか』の鉄板焼の野菜、2)同じく蝦夷鮑、3)同じく蝦夷鮑の料理、4)熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源の乾燥アワビのステーキなどと、何処の誰が使った食材で、どのような料理だったかを直ぐに思い出す。  人間の記憶とは、その時の『美味』の刺激の度合いによって左右されるのかと勝手に思っているが

中国料理の高級食材・・・『見て鳥肌、嗅いで鳥肌、食べても鳥肌』

 トップ写真は、中国料理で使用される主たる乾物である。これら乾物は僅かな量だが、お値段はこれだけでも数十万円と、すこぶる高価な食材である。  下の『フロリダ産の極上フカヒレ姿煮』(四川料理 桃花源)は、今では入手困難であり、そのフカヒレに餡掛けが絡まると、筆舌に尽くし難い味わいとなる。とろみが凄く濃厚で、このフカヒレを食べてタバコでも咥えようものなら、唇にタバコのフィルターがくっ付き、取れなくなってしまう。  上は、高級なヨシキリザメのフカヒレ姿煮とウバザメの胸肉のコラー

想い出の『善家繁の世界』・・・四川料理 桃花源(熊本ホテルキャッスル)個室にて

 今回のメインは、どれもこれもメインのようだが、『手長海老』が珍しく、『フカヒレの牡蠣ソース煮込み』と『帆立貝柱の香り辛しソース』のインパクトは強かった。  『前菜彩々』のミニミニ中華鍋がお気に入りで、高級中国料理の個室での堅苦しい会食であっても、これを見れば誰しも緊張がほぐれるに違いない。とても、可愛い器である。(持ち帰り厳禁)  同氏の頭の中は、全ての食材の『シミュレーション・データベース』があり、その食材を最高の状態にて楽しめる料理を創り出してくれる。  特筆すべ

ホテル文化に学ぶ(5)

<理想的なホテル利用法>  先ず、「ホテルじゃお金を払うのだから、無理難題言っても勝手だろ!」と豪語する人は、グローバル標準のホテル利用をご遠慮願いたい。  連載の中の<礼儀作法と所作>で記したように、「紳士淑女」への接遇が理解できるお客は、その人なりに「理想的なホテル利用法」を見出し、ホテル側の「紳士淑女」として接遇対象になっている。よって、ある程度の歳月を経て相互信頼が生まれると、フレンドリーな「常連客」としての立場を確保することができる。  さて、これからホテル玄

ホテル文化に学ぶ(1)

<和洋中融合の食文化>  和食が世界無形文化遺産に登録されて、実に誇らしい。和食は我々日本人にとって食の原点であり、どんなに自称グルメ通と言えども、行き着く先は、母親のおにぎりだったり、味噌汁、そして煮付け、漬物だったりする。(現代の若い方々は若干異なるかも知れない)  洋食が加速度を上げて日本上陸したのは明治時代後期から大正時代。以前のテレビ番組で高視聴率だった「天皇の料理番」でも、その経緯が詳しく紹介されていたが、現代フレンチの祖と言われるオーギュスト・エスコフィエが

ホテル文化に学ぶ(ご挨拶)

 「ホテル文化に学ぶ」という連載記事は、筆者保有のポータルサイト「The Rosetta Stone(since 1995)」にて、2015年10月12日から連載したものである。(非売品の小冊子「如水」として発刊している)  本業はICTであるが、どうも食文化の方が性に合っているようで、いつの間にやら、どっぷりと浸かる様になってしまった。  取材先は、ザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。全国の食