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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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#フレンチ

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

フランス料理おせち「佛蘭西」・・・試食

 フランス料理おせち「佛蘭西」(熊本ホテルキャッスル)の具材は豊富で、しっかりと数えてはいないが、写真上下のように目についたものを数種選んで皿に盛って食することにした。  肉類の仕上げも光る中で、魚介類であるサーモンの上質さやムール貝やシュリンプ、イクラの調理具合が良かった。エスカルゴも久しぶりであった。  フレッシュで分厚く質感の良いサーモンは、日頃からそう簡単に入手できはしない。また、シュリンプは酢漬けのようで、頭から尾っぽまで柔らかいがプリプリとしており、全て食べる

2024年フランス料理おせち「佛蘭西」が届く

 毎年、この豪華なフランス料理おせち「佛蘭西」が大晦日に届けられる。昨年と同じく午前中に、熊本ホテルキャッスルの担当者が運んできてくれた。担当者はよく存じ上げており、音楽大好きで、とても趣味多き人物である。  早速、自然間接光を取り込んで、三段重ねのフランス料理おせち「佛蘭西」の蓋を開け、一段目から三段目まで写真を撮った。内容は、昨年のものとほぼ同じものである。  盛り付けは、今回のものが隙間なく、偏りなく、美しい。たぶん、盛り付けた人のスキルが昨年よりも高いはずだ。車で

シェフの手作り感満載のフレンチ・・・ダイニングキッチン九曜杏

 食材に拘り、アーティスティックな盛り付けのフレンチを目の前にすると、見ているだけで十分満足してしまう。このように旬の食材を活かした各料理は非の打ち所がなく、逸品揃いとなる。  ここ3年ほどは、世界的なパンデミックにて、オーダーする機会を逸していたが、そろそろ、シェフの腕の見せ所である料理群が食せるようになりはしないかと期待している次第。  『食欲の秋』と言うように、年間を通して、秋の食材は海の幸、山の幸と、潤沢にある。更に、冬に向かって寒くなれば、ジビエとしてエゾシカや

料理写真は、全て記憶に残る。・・・瞬間的に香りや食感、味、そして笑顔を思い出す。

 時折、取材した料理写真の整理をしながら、気に入った写真を適当に選び、『極上グルメ百選』にまとめることがある。  左上から右へと進むと、1)ザ・リッツ・カールトン東京 『日本料理ひのきざか』の鉄板焼の野菜、2)同じく蝦夷鮑、3)同じく蝦夷鮑の料理、4)熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源の乾燥アワビのステーキなどと、何処の誰が使った食材で、どのような料理だったかを直ぐに思い出す。  人間の記憶とは、その時の『美味』の刺激の度合いによって左右されるのかと勝手に思っているが

ダイニングキッチン九曜杏・・・熊本ホテルキャッスル(連載その1)

<ダイニングキッチン九曜杏のスイーツ>  女性客を大いに喜ばせるのは、何と言っても、スイーツである。ランチやディナーを済ませ、腹一杯であるはずが、「これは、別腹!」と言いながら、スイーツの一つ、二つを完食する女性軍。あっぱれである。  同レストランのパティシエは、古典タイプから流行のタイプを作る。種類はそう多くはないが、テイクアウト用のスイーツもあれば、ホテルメイドのイートイン用のスイーツも揃えている。  コロナ禍以前は、毎年春休みに『いちごフェア』(時間制限ありの食べ

大村雅博さん(フランス料理のエバンジェリスト/French Food Evangelist)

 キャンバスに絵画を描くように、続々とアーティスティックな料理を創造する、フランス料理のエバンジェリスト(伝道師)、大村雅博さん。  Facebookを拝見すると、すこぶる行動派であり、人柄が素晴らしく、隅々までお世話の届く御仁であることが窺い知れる。  よって、多くのファンが大村エグゼクティブシェフの周りに集まり、同シェフが奏でるフレンチに、皆が酔いしれるのである。  本日、グルメ情報として、是非、皆さんにご紹介できればと、同氏にご無理を言って、料理写真などを送付して

ホテル文化に学ぶ(5)

<理想的なホテル利用法>  先ず、「ホテルじゃお金を払うのだから、無理難題言っても勝手だろ!」と豪語する人は、グローバル標準のホテル利用をご遠慮願いたい。  連載の中の<礼儀作法と所作>で記したように、「紳士淑女」への接遇が理解できるお客は、その人なりに「理想的なホテル利用法」を見出し、ホテル側の「紳士淑女」として接遇対象になっている。よって、ある程度の歳月を経て相互信頼が生まれると、フレンドリーな「常連客」としての立場を確保することができる。  さて、これからホテル玄

ホテル文化に学ぶ(1)

<和洋中融合の食文化>  和食が世界無形文化遺産に登録されて、実に誇らしい。和食は我々日本人にとって食の原点であり、どんなに自称グルメ通と言えども、行き着く先は、母親のおにぎりだったり、味噌汁、そして煮付け、漬物だったりする。(現代の若い方々は若干異なるかも知れない)  洋食が加速度を上げて日本上陸したのは明治時代後期から大正時代。以前のテレビ番組で高視聴率だった「天皇の料理番」でも、その経緯が詳しく紹介されていたが、現代フレンチの祖と言われるオーギュスト・エスコフィエが

ホテル文化に学ぶ(ご挨拶)

 「ホテル文化に学ぶ」という連載記事は、筆者保有のポータルサイト「The Rosetta Stone(since 1995)」にて、2015年10月12日から連載したものである。(非売品の小冊子「如水」として発刊している)  本業はICTであるが、どうも食文化の方が性に合っているようで、いつの間にやら、どっぷりと浸かる様になってしまった。  取材先は、ザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。全国の食