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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

四川料理 桃花源のランチを思い出す。・・・麻婆豆腐だけで、ご飯3杯は軽い!

 四川麻婆豆腐は、分かりやすく言えば、痺れるような痛みと刺すような辛さのダブルパンチとの闘いになる。独特な山椒の痺れは、最初は度肝を抜かされるが、慣れれば癖になる。豆腐のとろみとひき肉にまとわりつく、辣&麻。キーボードを叩きながら、既に額には汗が滲み出てきた。  遅ればせながらの紹介となったが、料理写真は四川料理 桃花源(熊本ホテルキャッスル地階)のランチで撮影したもの。現在、四代目の早川料理長が若手料理人を引っ張って、先輩たちから秘技を受け継ぎ、不景気に強い食事処として、

幻の高級中国料理『満漢全席』・・・レアなる食材に参加者全員腰を抜かす!

 2004年4月24日、熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源にて、筆者が主催した『満漢全席』。そこで凄腕を披露したのは、当時の同ホテル総料理長 善家繁氏であった。  善家氏曰く、「これが国内最後の『満漢全席』ですよ!」と。参加したのは、筆者を含めて十人。よって、国内最後、県内は勿論最後の『満漢全席』を食したことになり、熊本県では県民180万人に対して僅か十人のみとなる。  想い出すだけで、感激と驚きにて鳥肌が立つほどのレアな食材ばかり。熊の手の調理方法を北海道や東京から

激辛ビーフカレーとの再会!・・・バスタオルが要るほどに。

 熊本ホテルキャッスル1階にある、ダイニングキッチン九曜杏。久しぶりに厨房を覗き込むと、料理長、セカンド、そして若手料理人が勢揃い。  グランドメニューや季節メニュー!?を見ながら、最終的に決めたのは、定番の『激辛ビーフカレーライスセット」。  さあ、激辛との闘いが始まる。  黒服が、戦闘用のでっかいサイズのペイパーナプキンを数枚準備してくれた。それに、冷たいおしぼりも。  ペイパーナプキンを細く丸めて、先ずは、襟巻きトカゲ風にシャツ襟の内側にそれを巻き、汗に対する臨

高級鉄板焼料理・・・佐賀牛の霜降りは最高!!!

 鉄板焼に『すき焼き』というのは面白い。それも、霜降りがアーティスティックに美しい佐賀牛の『すき焼き』となれば、頬が落ちる。  以下の料理で、そのほかレアなるものは『タイラギ』という貝である。有明海で沢山獲れていたが、現在は激減したとか。 ▼大坪俊孝流の鉄板焼料理(日本鉄板焼協会副会長)

脇宮盛久の世界(6)・・・『焼物』

 金目鯛と赤茄子錦繍焼き 山芋とろめんソース 銀杏 零余子 海胆 裂き松茸 紅葉芋 ざくろ茗荷  器も素晴らしいが、これはアートである。器の中央にちょろんと盛ってあるが、食材が何が何やら分からぬほどの造形美に見入ってしまった。  お味のほどは、言わずもがな。流石に、脇宮盛久流の会席料理である。

危機的状況に陥る、都市部のシティホテル。・・・ビジネスホテル群雄割拠時代に、どう舵取りをすべきか?

 周囲を見渡すと、都市部と言えども昭和の風が吹きまくるシティホテルが多い。熊本市内では、ここ二、三年で2000床も増えるという、ビジネスホテル群雄割拠時代に突入した。  旧態依然としたシティホテルと新しい時代を担うビジネスホテルとの対峙の関係も浮き彫りとなりつつある。ターゲットとする客層は異なるものの、県内外からの客の流れが、どうもシティホテルからビジネスホテルへと移行しつつあるように思えてならない。  歴史と伝統を誇るシティホテルは施設も充実しており、団体向けの大宴会場

イギリスから友来たる。・・・娘の一言に、腰抜かす!

 数年前に、突然Messengerに電話が掛かってきた。イギリスの友人からである。念願の日本旅行で熊本にも立ち寄りたいので、是非会いたいとの事。  あまり沢山食べれないけれども、日本食が希望だと言う。そこで、熊本ホテルキャッスルのマネージャーに連絡を取り、同ホテル1階奥座敷『細川』を予約することにした。  日本人であれば何も心配することなく、さっさとメニューを考えるが、果たして刺身などを9歳の娘が食せるかどうかが問題だ。しかし、折角、東京から南下して熊本へ来るので、熊本の

一日に、好青年二人と出逢う・・・若者の『素直さ』に、明るい未来を垣間見る。

<若者Aとの会食>  本日は、午後から一人の若者Aと逢った。勿論、互いに連絡を取り合い、熊本ホテルキャッスル ダイニングキッチン九曜杏にて、ランチタイムを楽しむことにしていた。  若者Aが選んだものは、『赤牛ハンバーグ』のセット(サラダ&スープ付き)。筆者が注文したのは、最近マイブームの『叉焼麺&おにぎり』(メニュー外)。  折角なので、若者Aに『叉焼麺』の試食をしてもらった。反応は、「旨い!」の一言。次回の会食では『叉焼麺&おにぎり』を完食したいと、すこぶる好評であっ

脇宮盛久の世界(5)・・・『煮物』

(牡蠣西京煮 水晶絞り 海老芋 小蕪 黄金たもぎ茸)  透明なフィルムを紐で結んであった。火傷しないように、サラッと解ける紐。開くと、牡蠣の風味がパッと広がり、食欲を唆る。  牡蠣は牡蠣でも西京煮。そこに小蕪と黄金たもぎ茸が添えてあり、土台に海老芋。全ての食材が互いに邪魔をせず、繊細な融合を見せてくれた。  熱々にサーブされたので、最後まで冷めることはない。いやはや、西京焼きや西京煮が大好きな筆者なので、最後の一滴まで啜ってしまった。