クロス集計本文キャラマーキング

【追加調査】文章の15%以上にキャラの名前を出して本当に好感度は上がる?

本記事の内容には誤りがありました。
https://note.mu/chikamichik/n/n94396a60ad17
こちらの記事がより正しい内容となっております!

オレンジ11さんの「六重奏:地味OL、ジャズ(?)バンドに加入してハウスシェアして恋をする。」を分析しています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887104535

今回の分析において「六重奏~~」は
・音楽を扱った小説
・各エピソードへの応援コメントがたくさん寄せられている
といった点がポイントになります。

この小説の中では、椎名林檎さんなど、実在のアーティスト・楽曲の名前が出てきます。
こういう作品はウェブ小説ではしばしば見かけます。
それらの作品に共通する特徴であったり、その中でも読者に好かれるためのポイントがあったりしないか?
「六重奏~~」単体でそれを導き出すのは難しいと予想されますが、その分析の第一歩となることを期待しています。

そしてこの小説が投稿されているカクヨムでは、
各エピソードに応援コメントという形で感想が書けます。
その応援コメントがたくさん寄せられていることから、
小説の内容と読者の感想の関係を調べることが可能です。
よってそれを調べていくことが主となります。

今回は、応援コメントとの関係を見ていきます。
以前立てた仮説「文章の15%以上に名前が登場するキャラクターは魅力的に思われやすい(15%仮説)」がこの小説でも成立しているのか?
ということを調べてみました。

下準備の作業をしながら応援コメントを斜め読みしていると、
「三田村」「夏目」「萩岡」の3名への言及が多そうに見えました。

まずはその3名を対象に、15%仮説の検証を行ってみました。
上記の3名のうちいずれかが文章の15%以上に登場しているエピソードは、30話中18話存在していました。

そのうち応援コメントでも多く触れられていたのは、7例です。
その7話全てが、第2章に入ってからであるという特徴もありました。
(具体的には第2章第5話から)

では残り11例の応援コメントでは、なにに触れられていたのでしょうか?

パターンは以下のとおりです。
・作中に登場した楽曲について
・食事シーンについて
・他のキャラ

オレンジさんは、作中で登場した楽曲を聞けるURLを記載しています。
そのため楽曲を聞いたり、そのアーティストのことが元々好きだったりして、その楽曲やアーティストについてコメントを書くということが多く見られました。
こちらに注目がいって、キャラクターへの感想が減ったというわけですね。

それから食事シーンがあるエピソードでは「美味しそう」といった感想が多く寄せられています。
「楽曲」と「食事」は、読者の関心を引く話題であるようです。

3名のいずれかが15%以上登場しながらも、応援コメントであまり触れられていなかった11例。
それらについて調べてみると、このような感じでした。
(なお章とエピソードを4桁の数字で管理しています。第1章第2話であれば、0102と表記しています)

0103→楽曲
0105→食事
0106→社長(このエピソード内に14%ほど登場)
0109→楽曲
0110→楽曲
0112→主人公の変化への言及が主、食事も少々
0202→新しい環境の描写への言及と主人公が主
0203→二人という表現で、三田村(と主人公)への言及が多い
0204→楽曲
0209→社長(このエピソード内で15%超の登場)
0306→食事

というわけで、別のキャラがたくさん登場していて、そちらに読者の意識が向いていたパターンも見つかりました。
それも加えると、15%仮説どおりなのは18話中10話となります。

そして楽曲は4話、食事は2話。
そして残りの2話が主人公に着目したものでした。

社長というキャラクターの存在が意外と応援コメントでもありました。
なので追加で、上記の3名以外のキャラクターでも15%仮説の調査をしてみました。

0105→瑠璃が15%超えだが、食事に食われている
0111→母親が20%超えで登場し、応援コメントでも母の記述多かった
0208→瑠璃15%超えだが、場面的にはライブがメインで応援コメントもそちら寄り
0210→瀬戸15%超えだが、応援コメントではバンドという括りで扱われている+主人公である花音への言及が多い
0302→花音(主人公)と瑠璃が15%超えで登場し、応援コメントでも記述が多かった

この5話のうち0105と0302の2話は、既に主要3名の分析で調査済みのエピソードです。
よってここまでで、18+3で合計21話。

15%仮説どおりのエピソードは、0111(母親)の1話を加えて、11話。

というわけで全30話中21話で、特定のキャラが15%以上登場していました。
そして15%仮説どおりの結果を出していたのは、21話中11話。

(後の調査で正確には21話中8話であるとわかりました。ただ本記事内では11話という結果での話をそのまま記載します)

21話を内訳で見ると、

15%仮説どおりに多く出てきたキャラ……11話
出てきた楽曲について……4話
出てきた食事について……2話
主人公について……3話
シーンについて……1話

という具合です。

15%仮説、そこそこ有効なんじゃない?
って感じの結果でした!

0302では3人のキャラが15%以上登場しています。
読者の印象が散らばりそうですが、意外と応援コメントでも3人のことが触れられています。
もしかしたら目立つ人間は、そんなに絞る必要はないのかもしれません。

目立つ人間が複数いても大丈夫。
ですが、目立たせたいのに出番が少ないというのは避けた方がいいかもしれませんね。

読者に好きになってもらいたいキャラ。
その人の出番は無理をしてでも作った方が良いのではないでしょうか。

他のキャラが話しているからと言って、ひな壇の隅に座らせてしまうことのないように気を付けるといいかもです。

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