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【原体験ドリブン2章 無料公開】実際に自己ワークをやってみた(6/7) 原体験の旅に出よう ~一人でおこなう原体験ジャーニー~

実際に自己ワークをやってみる
〜40代 男性 フリーランス Aさんの例〜

最初の自己ワークで苦労したAさん

 最後に、実際に自己ワークにトライしたAさんの事例を紹介します。原体験ジャーニー初心者が自己ワークをするときのつまずきやすいポイントがわかると思います。

 Aさんは原体験ジャーニーをやるのは初めてでした。ペアワークの相手役になってもらえそうな人が身近にいなかったことから、初めての原体験ジャーニーは一人でおこなう自己ワークを選びました。

 第2章のはじめにも説明したとおり、原体験ジャーニー初心者は自己ワークを難しいと感じることがあります。Aさんも初回の自己ワークでは苦労しました。自分で自分に質問をする感覚がつかめなかったことに加え、気恥ずかしさもあり、途中で深掘りをやめてしまったのです。

 その後、Aさんは失敗をふまえ、原体験ジャーニーの体験者にコツを聞いていきました。その上で自己ワークに再度トライしたところ、自分で自分に質問を投げかけて、無意識を深掘りしていく感覚がわかったとのことでした。

 今後も工夫しながらくり返し自己ワークをしていくことで、Aさんはもっと無意識の奥深くまで潜れると僕は思います。

 そしてAさんには自己ワークだけでなく、ペアワークも体験してみてほしいと思います。自分が他人を深掘りする体験と、他人から深掘りされる体験の両方を経験してみると、答えのどこに着目して質問をつくったらいいか、予断なく答えを受け入れるにはどうすればいいか、そのコツがわかってきます。その後、もう一度自己ワークに立ち返ると、さらに深掘りがしやすくなります。

【事例】Aさんの自己ワーク

起点となる質問 ③「好きな言葉」
 Aさんの答え「完璧をめざすより、まず終わらせろ」

 A’さん(質問者としての自分)「なぜ好きなのですか?」
 Aさん(回答者としての自分)「ビジネスでは締切を守るのが前提。それが自分のモットーの一つでもあるから」

 A’さん「なぜビジネスにおいては締切が前提だと思うんですか?」
 Aさん「お客様に迷惑をかけるから。納期がいつでもいいビジネスというのはないと思う」

 A’さん「いつからそう思うように?」
 Aさん「会社員だったころ」

 A’さん「そう思うようになったきっかけはありますか?」
 Aさん「クオリティが高ければ納期を遅らせてもいいと考える同僚がいた。彼と仕事をしたくなかったし、ああはなりたくないと思っていた」

 A’さん「なぜそうなりたくないと思ったのでしょう?」
 Aさん「お客様だけでなく、その仕事に関わる社員や外注先など、たくさんの人に迷惑がかかるようすを目の当たりにしてきたから」

 A’さん「そのとき、どんな気持ちでしたか?」
 Aさん「すごくイライラした。ちょっと考えて工夫すれば締切は守れるのになぜしないんだろう、と不思議だった」

 A’さん「なぜそんなにイライラしたんでしょうか?」
 Aさん「人に迷惑をかけても平気な神経が信じられないから。彼が締切を守る自分より職階が上なのも納得がいかなかった。ものすごく不満だった。」

 A’さん「もっと評価されたかった?」
 Aさん「決められた時間内で最大限のパフォーマンスをあげようと工夫する人のことも評価してほしかった」

 A’さん「どうして評価されたいんでしょう?」
 Aさん「人から認められると貢献できたとわかり、安心できるから」

*ここで紹介する事例はあくまでも「一例」にすぎません。「こんな質問でいいんだ」「深掘りとはこんな感じでやるのか」というように、原体験ジャーニーのイメージをつかむための参考にしてみてください。

自己ワークをふり返って

Aさん:人間は誰でも、生きていれば人に迷惑をかけるものだ。ただ、工夫や努力次第で人に迷惑をかける事態は回避できることもある。それをせずに人に迷惑をかけている人を見ると強烈ないらだちを感じる自分に気づいた。

「自分の好きな言葉」の根底にある原体験は、「締切を守らず、そのための努力も工夫もしない同僚からさんざん迷惑をかけられたこと」だと思う。

「③好きな言葉」の深掘りでは自身の価値観や大切にしている物事があらわになりやすいと聞いた。自分の大切にしていることの一つに「人様に迷惑をかけない」があるのはまちがいないと思う。

 ただ、今回見つけた原体験は社会人になってからのものなので、まだ深掘りとしては浅いと思う。同僚のほうが自分より評価が高いことを不満に思っていたエピソード、評価によって安心感を得たいと考える理由を子どものころまでさかのぼって掘り下げれば、もっと強い原体験が出てくるかもしれない。

難しさを感じたところ

Aさん:初回の自己ワークで「基本の5項目」の「①今やっていること」から深掘りをはじめたのだが、想像以上に自分で自分に質問する難しさを感じた。

自分の「人生の選択」とまともに向き合う質問が多かったためか、自分で質問をつくり、自分で答えるのがだんだんとつらくなってきた。気恥ずかしさもつのった。最終的には「自分は何をやっているんだろう」とわれに返ってしまい、深掘りを中断してしまった。

 ノートを縦に使い、小さな字で深掘りのプロセスを書き出していたら、自分で見るのもいやになるほど最後はぐちゃぐちゃなマップになってしまった。これも初回の自己ワークが中断した原因の一つだったかもしれない。

自己ワークの難しさの乗り越え方

Aさん:「原体験ジャーニー、とくに自己ワークをやり慣れている体験者の方々にうまくいくコツを聞いてまわった。もっとも効果的だったのは、「『自分という他人』にインタビューするつもりで質問するといい」というアドバイス。

「自分のことなんだから答えはわかっているのになぜ質問しないといけないのか」と思わず、他人にインタビューするつもりで質問を考えてみると質問をつくりやすくなった。

「他人ならこういう答えに対してどう思うだろうか?」
「どこに着目して次の質問を投げかけてくるだろうか?」という「他人の視点」をもてたことがよかったのだと思う。

「自分で自分にインタビューするんじゃない。他人にインタビューしているんだ」と意識すると、気恥ずかしさも自然となくなっていった。

「どんな質問にするか迷ったときは『感情』に着目して質問を組み立てる」、「③好きな言葉、あるいは④やりたくないことから深掘りをスタートすると、比較的早い段階で自分の価値観にひもづく原体験が見つかりやすい」というアドバイスも有効だった。

 深掘りが中断した初回は「①今やっていること」を起点の質問として選んだが、出てくるエピソードが重くて二度目の自己ワークでは「③好きな言葉」を選んだら深掘りしやすかった。「③好きな言葉」や「④やりたくないこと」で何度か深掘りの練習をしてから「①今やっていること」の深掘りに再チャレンジするとうまくいきそうな気がする。

 ノートは見開きにして横書きでメモしていったほうが最後に深掘りのプロセスを俯瞰しやすい、と聞いたので、そのとおりにやった。たしかに2ページ分を横書きで使ったほうが縦書きより書きやすく、ふり返りもしやすいと感じた。自分にアドバイスをくれた人は左から右に向かって書くと言っていたが、左から書くか、右から書くかは好みで選べばいいと思う。

→FAQ ~よくある質問~(7/7)

→目次

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