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官能小説家になりたかった話

いいね欲しさに下ネタに走ってしまい、きらきらインスタグラマー()として終わったなと思う千景です。

ちなみに私のインスタ短歌アカウント
朝路千景@短歌詠む人(@chikage_tanka) • Instagram写真と動画


今から2年前、私朝路千景は官能小説家を目指していた時期がございました。(割と最近!!)
当時の私は「あああ〜短歌つまらんわ!!!金にならん!辞めてぇな!!!」という感じで短歌のやる気ゼロでして、でも文章で仕事したいし、足りない頭で文章のお仕事を考えた結果、小説家が残ったワケです。
まあアホ過ぎるんですけども。

特に官能小説は普通の小説よりも売れ行きがいいらしく、「金儲けのためやったらやるか!」と官能小説家を目指すことにしました。

といっても千景はピュアな女の子です。
今だに赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくれるのかキャベツ畑で産まれるのか真剣に悩むほどのピュアピュア女子なので、そんなイヤらしい官能小説など読んだことがございません。

とりあえずまず官能小説を読んでみよう!善は急げや!と意気揚々と地元のクソド田舎のBOOKOFFに駆け込み、官能小説の棚まで行くと…

女性向け官能小説はたった一つの棚に一段だけ…

棚のほとんどは女性向けのエロティック漫画で構成され、小説の少なさといったら…

当たり前と言えば当たり前かもしれません。
世はアダルトビデオ全盛期。
Po〇nhubを見れば男女関係なく、良質なアハンウフンを摂取できる時代。
漫画も同じくファンタジーなエロをよりお手軽に楽しめます。
わざわざ本からエロを楽しむなんてめんどくさいじゃないですか。
古事記の御代からの文章を主体とした日本元来のエロい想像力は、もはや古き良き美しきニッポンの残滓なのかもしれません。

とりあえずたった一段の棚から3冊ほど手に取り、中学生男子のように他の本の間に挟みながら会計を済ませ、そそくさと家路に着きました。


初めて読んだ官能小説はなんだかもう…感動してしまいました…
こんな恋してぇなァーーーーーー!!!!!


「ずっと君を待っていた 一途な御曹司に抱かれるハワイの青い海」
https://opal.l-ecrin.jp/book/2797

フランス人ハーフのマッチョイケメン幼馴染でありながら、ホテル王の御曹司とワイハーでイチャラブでっせ!お姉さん!!
キラキラ度が半端ないんですよ!
この小説が初めて読んだ官能小説だったんですが、爽快感とエロのバランスがめちゃくちゃ良かったんですよね。

ちなみに全体的に女性向け官能小説はラグジュアリーなエロを楽しむ傾向にあります。例えば、
「ハワイのホテルラウンジで優雅に最高級オレンジペコーのアールグレイの紅茶とフランボワーズのソースがかかった濃厚なオペラをいただく。ピアノの生演奏は私たちをふわりと包み、永遠の愛を奏でる…私を見つめる彼の琥珀のような瞳がちょっとくすぐったくて、ハワイの熱のせいにしてしまいたい。」

みたいな文章です(千景作)
小説を4章に分けるとしたら1章は丸々こんな贅沢ととびきりのイケメンから女として愛されているのを楽しむシーンです。
「出会って〇秒で合体!」とかではないんですよ!ちゃんと前戯がある!


千景もいい歳です。

男性とフルコースをいただいたことくらいあります(量が足りなくてその後隠れてサイゼに行きました)
男性から金やダイヤのネックレスも指輪もいただいたことだってあります。(もう全て売り飛ばしました)

でもこういう中途半端なキラキラではありません(今までの男たち!ネタにするぐらいはちゃんと感謝してるぜ!)

三ツ星ホテルラウンジでお茶をいただき、昼間は南国の花の香りが漂うエステでのんびり癒され、「君が一番綺麗だよ」と言われながらハイブランドで0が二つくらい多いドレスを買ってもらい、ショーを楽しみながらフルコースのディナーをいただき、イケメンで筋骨隆々とした若い男に「愛してるよ」と耳元で囁かれて高級ホテルのスイートで一晩中愛されるという、キラキラ☆ラグジュアリーエロスなんですよね。
現実逃避にはうってつけの娯楽なワケです。

千景は基本的にいつも気が狂っておりますが、当時はもっと狂っていたので女性向け官能小説にドハマりしてしまいました。

毎回調達するのは地元のクソド田舎のBOOKOFF。
最初は一段しかなかったスペースが2回目に行くと3段に。
3回目に行くと5段に。
4回目に行くと棚まるまる女性向け官能小説の立派なスペースになってしまいました。
恐らく「この店舗には女性向け官能小説でしかイケないお客がいる」と認識されたようです。
BOOKOFFの棚一つ分を丸々充実させる女ッ…!それでこそ朝路千景ッ…!

結局ドハマりした結果、本来の目的である官能小説家になるのもどうでもよくなってしまい、ただただ官能小説をむさぼり読むアラサーが爆誕しただけでした。

ちなみに今ではもう読まなくなっちゃいましたね。
本と寝るより時代と寝るほうが楽しいので。

(完)

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