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【14】散歩とトイレとお手あて

がんは自分で治すんだと決めた私。
早寝早起き、朝の散歩をするのが一日の最大の目的になりつつあった。散歩の後は身体を休めて半身浴に加え、イトオテルミーやヨモギ活性器の温熱手当をする。過食の傾向があった私が食事療法を始めてからは身体も軽くなっていて気分は上向き。
気になるのは集中力の低下。何をするにも集中力が続かない。手帳に書き込む文字を丁寧に書けず、どうやっても乱暴な文字になる。スマートフォンの文字もパソコンの文字も長く見ていられない。座っていると物理的に重圧がかかるのか時々痛みがあり、身体を横にしているか立っている方が楽だった。

便意のようなお尻がモゾモゾする感覚があるのにトイレに行くとウンチが出ないのが通常になり、下着に血と便が付くようになった。位置的にも生理ではなくお尻(肛門)からなのは明らかだった。生理の時に使っていた布ナプキンを利用した。

朝の散歩で公園などでトイレを見つけると必ず入った。ウンチではなく便器に血が落ちることも多かった。「大丈夫?」努めて軽く聞いてきているなという感じの夫に、私は痛くても痛くなくても「うん、大丈夫」と返していた。心配されるような事態になると自分の意志に反して病院行となるリスクを少しでも減らしておきたかった。我慢できる痛みは、痛くない枠に判定して自分を保ち、涼しい顔でご機嫌を維持する細心の注意を払っていた。

私は「何も言うな気づくな」と笑顔で圧を放っていたかもしれない。
「心配は受け取らない」と公言もしていた。

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自分に嘘をついてまで嫌な治療はできないと思っていた当時。振り返って書いていると、痛くないふりで自分に嘘をつき通している矛盾。大人にもイヤイヤ期ってあるんかないな。ううう。

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