保護されたその日④

帰宅後、急いで準備をしたが、

正直何を準備したのか覚えていない。

時期は初夏。

でも暑いとは言えない気温。

夜はまだ冷え込みも強かった。

風邪をひかないように、いつ帰ってくるか

わからないけど、寒い思いをしないように、

ボストンバックに積めた。

予定時間通りに職員は訪問した。

『よろしくお願いします。』と荷物を

渡しながら、違うことを考えていた。

『どうして子どもたちは

帰ってこないんだろう。』

『明後日は運動会なのに。』

『見に行くの楽しみにしてたのに。』

『どうして?なんで?なんで?』



『では、お預かりします。』

そう言われて我に帰った。そして言わずには

いられなかった。

『2人とも運動会楽しみにしてるんです。

運動会だけでも出られるようになんとか

お願いします。』

『ただ、正直、なんで連れていかれたのか

納得できないです。

アザがあったと言うけど、二女に関しては

外遊びが好きな子で、走り回って、

怪我もしょっちゅうしてくる子なんです。

スネあたりにも青アザもたくさん

あります。』

職員の方は淡々と『2人ともアザが

あったことは事実です。』

『遊びで転んでできた怪我なのかは

見ればわかります。離れている期間に

よく考えていただければとおもいます。』

『面談日は追って連絡をします。』

そう言って家を後にした。



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