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本当にできる人と思わせる「雑談力」とは?


仕事のスキル
「どうだ、最近は?」と、何気なく上司が話しかけてきたとしましょう。

「ええ、まあ問題ありません」と当たり障りなく返す人もいるでしょう。

ただ、これでは話が続きません。


社内のランチの時の同僚との雑談、

顧客と商談が終わったあとの雑談、

上司との飲みの席での雑談…

それら全てがあなたの印象を形作ります。

繰り返されれば、あなたの社内での印象や立ち位置も変わるかもしれません。

【たかが雑談、されど雑談なのです。】


では肝心の「雑談の上手い人」は

何が違うのでしょうか。

今回は、雑談力を高めるためのコツをご紹介したいと思います。


雑談の原則は、たった2つ

*ビジネスマンの後姿*
(出典) photo-ac.com
雑談がうまい人は2つの原則を守っています。

原則1.相手の話したいことを聞け

原則2.相手の聞きたいことを話せ


世界で1500万部を販売したベストセラーであり、出版70年を数えても未だ売れ続ける名著、

デール・カーネギー著「人を動かす」では、

人に好かれる原則として「

「聞き手に回れ」

「相手が関心を寄せる話題を提供せよ」

と述べています。

雑談力の本質は、この2つに集約されるのです。

では、2つの原則を守るための具体的方法に移りましょう。

「相手の話したいことを聞く」には、

感情を汲む・解決しない・話を取らない

*会話をする男女*
(出典) photo-ac.com
まずは3つのことを行うだけで

「原則1.相手の話したいことを聞く」

ことができます。

人は感情の生き物。感情を汲む

基本的に人は感情の生き物です。

感情的な言葉に注意を払うと雑談がスムーズに運びます。


同僚:「最近、残業続きで嫌になっちゃうよ。全く」

あなた:「いや、オレも残業続きでさ、もう今月は残業100時間を超えたよ」


これは、あまりうまくありません。

相手の感情を汲んでおらず、自分の話をしてしまっているからです。


このようなときには相手の

「嫌になっちゃうよ」を汲み、

「そうだよな。嫌になっちゃうよね。顔がつかれているよ。ちゃんと寝てる?」

と相手の感情を一旦受け止めましょう。

このほうが遥かに相手はあなたに好意を持つでしょう。

◎相手の課題を解決しない

相談されると、

「つい相手の課題を見つけて、解決したくなる」人がいます。

とくに男性に多いようですが、ほとんどの場合

「上から目線」と、嫌われます。


同僚:「最近、失注続きでさ、結構ヘコんでるんだよね」

あなた:「え、そうなの?お客さんを回ってる数が足りないんじゃない?」


いけません。あなたは相手の課題を解決しようとしています。


さり気なく相手の気持ちを受け止め、

相手に話をさせ、不安を解消させてあげましょう。

大抵の人は、誰かに話を聞いてもらうだけで勇気づけられるのです。

この場合、「そうかぁ、そりゃヘコむよね。大変でしょう。明日はどこ回るの?」と

言うのが正解です。

自分の話は後。人の話を取らない。


同僚:「今日の全体会議、キツかったな−。部長の話、長くて参るよな」

あなた:「そうだよね。そういえば今日俺が行ったお客さんも話が長くて、2時間ずっと無駄話をしてたよ。おかげでこっちの話が全くできなかったよ。そりゃ聞くのも俺らの仕事だけどさ…」


お気づきかと思いますが、完全に会話を奪ってしまっています。


相手は「キツかった」と言っているのです。

まずはそこを聞くべきです。

「そうだよな−、長かったよね。あの間、何考えてた?」

と返せば相手を話の主人公とすることができ、雑談の主導権を奪わずに済みます。


*「相手の聞きたいことを話す」には感情を伝える会話をする女性2人*
(出典) photo-ac.com
前項では、「原則1.相手が話したいことを聞く技術」を説明しました。


ただし、これだけでは相手に話をさせるだけです。

会話のキャッチボールを続けたい…と考えた時に必要なのは、

「原則2.相手が聞きたいことを話す」こと、

すなわち「自己開示」です。

あなたが口をつぐんだまま、自分のことを何一つ話さなければ、

あなたは相手にとって

「わかりにくい人」

「何を考えているかわからない人」です。

適度に「情報提供」を行い、

相手を安心させる必要があります。

相手が最も安心するのは、「同じシチュエーションで、同じ感情を持つこと」です。


同僚:「今日、部長と喧嘩したよ。この前提出した報告書が気に食わなかったらしい。まったく、結構時間かけたのに、参っちゃうよな」

あなた:「そうだよな−。一生懸命やったのに、それ否定されるとつらいよなー」(感情を汲み、解決しない)

同僚:「また提出しなきゃだよ、今日はちょっと遅くまでかかりそうだよ」

この場合、

相手が話したエピソードと似たエピソードを選択し、

「同じように感じた」ことを相手に伝えましょう。

「そうかー。そういえばこの前全く同じようにオレも部長に提案書をレビューしてもらったら、

真っ赤になって返ってきた。

修正に10時間は掛かったんじゃないかな。参るよね」が正解です。


「本当にできる人」の雑談は、相手に「興味を持つ」ことから

*会話をする男性*
(出典) photo-ac.com
これまでの方法を実践すれば、

当り障りのない雑談はほとんど問題なくできるでしょう。

ただ、「この人は本当にできる人だな」と思ってもらうためには、

もう一工夫する必要があります。

よく「会話で相手を褒めて気に入ってもらえ」と言いますが、

褒めることは非常に難しい行為です。

とくに日本人は謙遜を美徳とするため、必要以上に相手に気を使わせてしまうことにもなりかねません。

ですから、「褒める」のではなく相手の好きなことに「興味を持つ」ことが重要です。


相手:「今日、無事お客さんから注文をもらいましたよ」

あなた:「嬉しいですね!」(感情を汲む)

相手:「ええ、本当に苦労しました。もう半年以上待たされましたからね」


この後、

褒めるのではなく興味を持って「そうですか、えらい忍耐強く待ちましたね。

私だったら諦めてましたよ。どうやって注文まで持ち込んだんですか?」と返せば、

「ああ、実は結構計画的に動いたんです…」などと会話は盛りあがるでしょう。


相手に興味をもつことが、自然に相手をほめることにつながるのです。


おわりに…

雑談といえど、侮ってはいけません。

突き詰めれば、「相手に対する興味の度合い」が端々に出てしまいます。


小手先のテクニックに終止せず、

本質的に「相手に興味をもつことで、深い話もできる」ことを、

雑談を通して身につけてみてはいかがでしょうか。

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