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和田華凜句集 『月華』

作者の和田華凜さんは、後藤夜半のひ孫で、後藤比奈夫の孫です。諷詠4代の主宰はそれぞれ「瀧の夜半」「花の比奈夫」「祭の立夫」「月の華凜」と呼ばれているそうです。

星野立子賞の授賞式でお目にかかったのですが、とても美しい方でした。お写真を見たわたしの家族は「この方は美容家?」と言っていました。お話ししてみると関西弁でとても気さくな方でした。

句集より感銘句を。

血しぶきは赤き布もて夏芝居
きつとある自然治癒力日向ぼこ
皹入るもよろし壬生狂言の面
能面の月華を宿す白さかな
香水はつけぬ浴衣を着る夜は
ひとくちの小さき信濃の凍豆腐
三越に祭提灯ひとならび
鱚の字の大き江戸前天麩羅屋
遊船の簾巻き上げられしまま
鱧盛れる玻璃の器のうすきこと
水都けふ月の都となりしかな
瀧の上に天へと続く道のあり

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