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小野あらた句集 『毫』
2月7日のNHK俳句は令和の新星として小野あらたさんがゲスト出演していらっしゃいました。
『天の川銀河発電所』で小野あらたさんの俳句を見てからファンになり、すぐに『毫』を買いました。
何度も読んでいる大好きな句集です。
NHK俳句の出演を機に見返してみました。
とくに好きな句を。
絵も文字も下手な看板海の家
しぼませて浮輪の紐の長きかな
水筒の暗き麦茶を流しけり
缶詰に汁満ちてをる時雨かな
光るもの拾ひたくなる春の浜
梨の花洗濯物は風に冷え
汐干狩間を鳥の歩みけり
母の日やマッサージ機に顔震へ
紫陽花に袖を濡らしてすれ違ふ
ソフトクリーム唇少し沈みけり
秋冷やチーズに皮膚のやうなもの
春光や飯にかけたる塩見えず
テーブルに七味散りをりかき氷
冬の雨高速バスの腹を開け
和菓子屋の紙袋提げ夜学の師
秋惜しむ宿に荷物を置いてより
味噌汁と聖夜の残りものを食ふ
春近しモデルルームに寝てみれば
疲れたりプールの底の青色に
頂へ手摺の続く涼しさよ
小野あらたさんの句は角川の俳句歳時記第五版にもたくさん掲載されています。若手のなかでは一番多いのではないでしょうか。
とくに夏の歳時記には「缶詰のパイン全き夏はじめ」など9句も掲載されています。
小野あらたさん、あたらめてすごい俳人だなぁと思います。
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