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野口る理句集 『しやりり』

野口る理さんの句集「しやりり」には、野口さんが俳句をはじめた17歳から10年間(2003年から2013年)の俳句が収められています。

ほかのひとには真似できない、野口さんの俳句。

ぶれずに自分の俳句を積み重ねていくことの大切さを感じることができる句集です。

個性豊かな俳句たちから、個人的に好きな句12句を。


うららかにしづかに牛乳捨てにけり

春疾風聞き間違へて撃つてしまふ

初夢の途中で眠くなりにけり

乾電池ころころ回す涼しさよ

裏口に蔦の迫るや画家に恋

菊膾差し出す距離を測りつつ

梅園を歩けば女中欲しきかな

家にゐてガム噛んでゐる春休み

忘却や檸檬光らせハイボール

飛びあがることなくスケート終へてお茶

本棚を乱す画集や冬深む

かたつむりゐなくなるまでゐてやれず

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