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角川俳句年鑑2024 年代別収穫80代後半以上

角川俳句年鑑は、年末に出る俳句のタレント名鑑みたいなもの。国語便覧のようで面白い。ずっと見ていられる。

年代別俳人特集の「80代後半以上」に特に好きな句が多かった。岸本尚毅さんが執筆しているページだ。

世に在らば吾子七十五秋彼岸 蒲原ひろし
麻痺の足触れて飛び散る草の絮 橋本美代子
五、六行拾ひ読みして黴の本 山崎ひさを
目覚めよ老人柿がたわわではないか 柿本多映
にぎやかに煎餅嚙むや十一月 永島靖子
冷まじや肉の中なる尾骨恥骨 遠山陽子
いつまでも続く法事や梅雨の寺 高橋悦男
松七日杖の身に等身の影 宇多喜代子
大根蒔く土手の向かうに暴れ川 柏原眠雨
花見鯛喰ひちらかして骨太し 星野恒彦
草青む山羊顎鬚も食べさうに 矢島渚男
坂あって手摺があって初しぐれ 池田澄子
うつとりと我が句詠まるる初句会 今瀬剛一
灰皿に山栗三つ欣一忌 栗田やすし
アイロンの舳先うつくし遠卯波 高橋睦郎
干蒲団叩かずテレビ叩きたし 宮坂静生


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