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鷹羽狩行第一句集『誕生』の序
鷹羽狩行さんがお亡くなりになった。
ご冥福をお祈りいたします。
家にあった「別冊俳句 鷹羽狩行読本」を読み返した。第一句集『誕生』の山口誓子による序文に、いまの自分にとって大事なことが書いてあったので書き残しておく。
面白くなつたのはいいが、面白くしたのはいけない。きまりきつたことだ。私はこの句集の句を選ぶときに、さういふ面白くした俳句をむざむざと棄てた。
面白くなつたのはいいが、そのために現実から遠ざかつてはいけない。現実を見ることをつまらないと思つたりしてはならない。
現実を見ることは極めて大切だ。現実を見ることの累積が把握の力になる。想像の力になる。そして優遊の世界に入り易くなる。
面白くなつたのはいいが、言葉が先走つてはいけない。心が優遊せずに言葉だけが優遊してはいけないといふことだ。
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