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山口昭男句集 『讀本』

山口昭男さんの第二句集。2011年刊行。330句収録されています。図書館で借りました。好きな句だらけなので、はやく入手したい一冊です。

とくに好きな15句。

山越えて来しくれなゐの桜鯛
じやがいもの咲いて讀本文字大き
新しき赤子の言葉門火焚く
はりつめて氷柱の色のぬけおちて
耳朶の如き雛の面かな
子規の忌の丈より長き枕かな
冬ざれや喪服の上の割烹着
ほつこりとはうれんさうをつつみけり
秋深し皺の集まるのどぼとけ
初詣少し昔の服を着て
墨の黴硯の黴をおそれけり
月光に錆といふ色菊膾
初蝶のニクロム線の匂ひかな
花札の裏は真黒田螺和
鮟鱇の値札大きく口に刺し

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