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正木ゆう子句集 『玉響』

正木ゆう子さんは1952年生まれ。2016年刊行の句集『羽羽』により蛇笏賞を受賞されています。

一句一句が濃くて句材が広い句集だと思いました。そして言葉がとても豊かです。また、自句のパロディ句や、笑える句があるのもいいなと思いました。

脱ぐ前にはちきれてをり竹の皮
我こそはとみな生きて去る風の荻
梟を見たと頭を回し見す
灯のおよぶ限りの雪へおやすみなさい
火花散る電子レンジやクリスマス
微笑んでくちびるを切る冬木立
濡れて重たき昭和の傘よ昭和の日
芭蕉ふと男臭さよ葉鶏頭
読初のいきなり兄の句に出合ふ
馬の腹の如きの垂れて蚊帳の天
癌ぐらゐなるわよと思ふ萩すすき
絶食のときも歯磨き十三夜
命より一日大事冬日和
露の原股覗きして老いんかな





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