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言霊玄修秘伝より山口志道の霊著

『水穂伝』七巻は山口志道の代表的著述である。「火の巻」三巻で言霊の玄義を述べ、「水の巻」三巻で日本語の霊釈と変化、応用を述べ、付録一巻は歌の解説である。
『火水与伝(かみよのつたえ)』「形仮名(カタカナ)は天地の水火(いき)の形にして人の作に非(あらず)。故に神の御名ごとに現れて神霊自天地を指て、近は万物の産玉(たまふ)ことを伝給(つたえたまひ)し御典なり」として形仮名が天地の真象を写し出したる形神名であることを示す。
『イロハ口伝』は志道翁の弟子が筆記したるものなれど、イロハ四十七文字は弘法大師が神仏両道の極意を書き示せるものにして、『涅槃経』の「諸行無常、是生滅法、生滅々已、寂滅為楽」の意を示せるのみならず、記紀の神代之巻の神秘を顕すところの妙文であるとする。
『神風伯』は呼吸法の玄義を説く。
中略
古来より息と言葉が一体化して考えられてきたことからも自明なように、言葉を発することは正に特殊な呼吸をなすということであり、人間はそれによって宇宙の果てしなき創造と解体の律動と合一するのである。

山口志道の著書四冊が紹介されていましたが、中でも『火水与伝』はカタカナが天地の真の象を表した形神名であると示しており、明確に人が作ったものではないと述べています。

私は漢字からひらがなも、そしてカタカナも生まれてきたと教わってきましたし、そう伝えてしまったことも幾度かありました(流石にここ何十年とひらがなの成立については伝えても、カタカナの成立については伝えていません)。

しかし、江戸期の国学者たちは、カタカナを中国伝来の漢字から生まれたものとは捉えていないのです。カタカナは高校国語では漢文の返り点で使われるだけですので、成立についてまで触れることはないのですが、もし機会があれば、こういう考え方もあるんだよと一つの捉え方として伝えていくつもりです。

神の御名表したるのがカタカナと
   古(いにしえ)人は教え給へり



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