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酒徒の履歴書 - 酒徒ができるまで

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メンバーシップで公開した「酒徒の履歴書」のまとめです。仕事は食とは無縁のサラリーマンが、なぜ中華料理を語ったりレシピを書いたりしているのかが分かります(笑)
長めの短編小説くらい(37,000字)です。本格中華、居酒屋行脚、十年の中国生活など盛りだくさん!
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#太田和彦

酒徒の履歴書①~⑯まとめ読み

全16回の連載を1つの記事にまとめました。ずらーっと最後まで読めます。 改めて僕はこういう人間です…という自己紹介を兼ねて、自分の食遍歴を書いてみます。本業は食とは無関係のサラリーマンが、なんで中華料理の本を出したりするようになったのかが分かります(笑) 黎明篇(出生~高校生)憧憬の脆皮乳猪(豚の丸焼き) 僕は、1970年代後半に埼玉中部の小さな街で生まれた。高度成長期に地方から上京した人々の受け皿となった新興ベッドタウンで、街にはこれといった特産物や名物がなかった。僕

酒徒の履歴書⑦ - ニッポン居酒屋放浪記

社会人になり、自分の給料で好きなものを食べられる環境になった僕は、一気に食べ歩きにのめり込みます。そして、運命の出会いを果たします。 雌伏篇2(二十代前半) 話は、前回から少しさかのぼって、2000年代初頭、社会人になりたての頃。会社の独身寮に入ってから、僕の食生活は激変した。 寮は、21世紀の日本とは思えぬあつらえだった。部屋には風呂もトイレもなく、刑務所にあるような小さな洗面台があるだけで、備え付けの家具はベニヤ製だった。後年中国に語学留学したとき、周りの日本人留学

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酒徒の履歴書⑧ - 酒は憂いのたまははき

社会人生活の最初の6年で、居酒屋巡りに傾倒した僕。今も心に残る店との出会いなどを経て、自分にとっての良い店とは何かを、徐々に煮詰めていった時期でした。そして、いよいよ中国へ旅立ちます。 雌伏篇3(二十代半ば) 2000年代初頭、和彦によって、飲み歩きへのヘブンズドアーを開かれた僕。自然、東京での食べ歩きでも、居酒屋へ行く比率が高くなった。大勢で騒ぐより、ひとりふたりで酒を飲む方が好きな僕みたいなタイプには、小さな居酒屋のカウンターで日本酒をすする時間が何より心地よかったの

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