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意志と運命の間で(Netflix/いつかの君に)

Netflixで最近公開された、「いつかの君に」を見た。

恋人(ク・ヨンジュン)の死を乗り越えられない36歳のハン・ジュニが、差出人不明の荷物に入っていたカセットテープを聞いたことで、2023年から突然1998年の高校生クォン・ミンジュとして目覚め、恋人と同じ顔の同級生(ナム・シホン)と出会う作品だ(全12回)。

ジュニはカセットテープを聞くことで、過去(1997年)と現在(2023年)を行き来する。未来から来たジュニは、これから何が起こるかを知っていて、未来を変えようと行動する。

一方で、過去が変わってしまったら、未来からやって来た者が知っている未来とは変わってしまうわけで、過去の選択が変わったことで未来がどう変わるかまでは誰も分からない。そんな要素を含みながら物語は進んでいく。

物語の中で、自分が死の危険にさらされていると知ったヨンジュンが、「これは運命じゃなくて自分の選択で、自分の意志です。」と言った言葉がとても心に残っている。これから起こる不幸と、それを回避する方法を一緒に知らされた時、どうやって、どちらを選び取るか。あきらめて、そういう(死んでしまう)運命だったことにするのか、死んでしまうという結果は同じだけど、自分で選んで自分の意志にするのか。それとも、最愛の人に会えなくなるかもしれないリスクを取りながら、死を回避する方法を選ぶのか。

物語を見ていると、自分自身の人生も、どこまでが運命でどこからが自分の意志なのか、よく分からなくなる。

人生には変えられることと、変えられないことがある。いつ、どこで、どんな両親のもとへ生まれてくるかは選べないし、天気の良しあしも、自然災害がいつやってくるかもわからない。私たちはその変えられない状況の中で、意志を持って生きていくしかない。

運命とは人間の意志を超えて、幸福や不幸、喜びや悲しみをもたらす超越的な力のことを言うらしい。(コトバンク)

私の場合、運命に対して意志100%で立ち向かえる場面はそんなに多くない。今日からストレッチを続けるぞと思っても長続きせず、それも運命のせいにしてしまいそうだ。

それでも、例え自分の意志が1%になってしまう時があるとしても、最後まで自分の意志は持ち続けていたいと思わせてくれる作品だった。そうすれば、きっと周りの人も助けてくれるし、目に見える何かが急に変わらなくても、時間がかかっても、自分の意志による選択で起こった変化だと気づかなくても、自分自身を幸せな方向に運んでくれるんだと思う。

音楽もとってもよかったので、今絶賛聞いております。

余談)チョン・ヨビンさんとアンヒョソプさんのツーショットというか、チョンヨビンさんの高校生姿なんとなくしっくりこなくて、リリース後もしばらく見ていなかったんだけど、全部見終わって、2週目に入っている今、めちゃくちゃしっくりきていて、この2人じゃなかったらこのストーリーを演じられなかっただろうなとさえ思っている。カン・フンさんもよかった。

1周目はストーリーについていくのに必死だったし、?な部分もありつつ一気に観たのだけど、2周目にじっくり見ていると、また違った感想を持てるのもおもしろい。何度も見返したい作品です。


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