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人は共通項を見つけて生きている

我が家は以前から希望していた保護猫を家族に迎えるために、一週間のトライアル期間を過ごしました。
この期間はいわゆるお試し期間、猫にとっては新しいおうちを体験する機会です。健康面などからこの環境で暮らしていけるか、適応できそうか様子をみます。
(猫は環境の変化に弱いそうで、ストレスで食べない飲まない、下痢などの不調が現れることも少なくないそうです)
迎え入れる側としては、猫との生活の練習のような、猫の性格などを知る機会です。先住猫さんがいる場合には、先住猫さんとの相性を試せる期間です。

そんなトライアル期間中に、預かっている猫の調子が悪くなりました。

ゴホゴホ苦しそうな音を出すのが気になって、猫が保護されていた猫カフェのスタッフに相談しました。
「多分猫風邪。手が空いていたら動物病院に連れてってあげるのがいいのですが」との返信に、この一週間は猫との生活にどっぷり浸かろうと予定を空けていた私は、すぐに動物病院を受診しました。

診断結果はやはり猫風邪。
免疫力が低下したり、子猫の時期に多い症状だそうです。
抗生物質を処方してもらいました。

待合室

動物病院に到着した時、待合室にはすでにキャリーを抱えた飼い主が3組いました。
若い夫婦が1組と、40代と60代と見受けられる女性が二人。
そこにわたしが加わります。
わたしが受付で、保護猫のトライアル中であるという諸事情を話していたのが聞こえたのでしょう。
夫婦の女性が声をかけてきました。
「うちも保護猫なんですよ」
そう話しながら、膝の上のキャリーにかかっている毛布をずらし、中にいる猫ちゃんを紹介してくれました。

初めて受診する動物病院で、予約時間にぎりぎりの到着になったわたしは、
「初めての猫ちゃんで、キャリーに入れるのもここまで来るのも大変でした」
声をかけてくれた女性に思わずそんな話をしました。
すると
「わかります、自分の準備だけじゃないですもんね。3年経ってもキャリーに入れるのには手こずって。」

ん?なんだろうこの会話、懐かしい…

いつかのあたたかい空気感。
同時にどこかあまいミルクのような匂いが漂ってきそうな…
この記憶をたどるのに、それほど時間はかかりませんでした。

記憶を辿る

蘇った記憶は、子どもが小さいころに通った小児科のできごとでした。

待合室で偶然居合わせる親子と「(子どもたちの月齢は)同じくらいですかね、何月生まれですか?」「何歳ですか?」とはじめましての挨拶をします。
続けて、育児の大変な部分を共感しあったり、子育ての情報を交換したり、自然と会話が続きます。
子どもを持つ母という共通項が、つながるハードルをずいぶん下げてくれました。

共通項

読み方:きょうつうこう

二つ上のものや人物について共通して備わっている性質や特徴などのこと。

weblio辞書より

あの頃は年齢の近い子どもの母親というのが共通項でしたが、今回の共通項は猫です。

推しが同じ
母校が同じ
趣味が同じ

自分の友達を思い浮かべると、確かにそれぞれに共通項があります。

深い仲ではなくても、身の回りの人を思い浮かべるとき「私と同い年」「同じ血液型」「出身地が近い」などという自分と似ているエピソードが連想されます。
自分との共通項が相手を記憶するのに役立っちます。

共通項はタグのようなもの

保護猫のトライアル期間の後、猫たちは無事に猫たちを家族に迎え入れることになりました。
同時に「猫」の新たなタグをもらったような気持ちです。
これから先、「猫」でつながるご縁があるかもしれないとわくわくが沸いています。


↓noteを始めたばかりのころに書いた猫が出てくる記事です(=^・・^=)





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