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冬の洋食

寒くなると無性に洋食が食べたくなる。今冬もそうだった。季節によって旬の野菜や果物があるように、「ごはん」にもそういう旬の時節みたいなものがあると思う。もっと言えば時間帯も。たとえば、卵かけごはんは朝に食べるのがいちばんおいしく感じるし、そうめんはお昼時、インスタントラーメンは夜中。みたいな。ごはんは、食べるタイミングでより一層おいしくなる。

冬に太ってしまいがちなのは、単に「運動量は減ったのに食べる量は増える」からかなと思うけれど、とは別に、カロリーの高いものがおいしく感じるからではないか。冬って催眠術でもかけられたのかと思うほど、ベシャメルソースがおいしくってたまらない。グラタンやドリアを食べると、食べているそばからまたすぐ食べたくなる。書いているそばからもう食べたい。

笹塚にお気に入りの洋食屋さんがあり、そこのシーフードドリアをこの冬、幾度となく食べた。

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あっつあつのシーフドドリア。煮えたベシャメルソースが器のフチでくつくつと弾け、そこに溶けたバターが入り込んでいく。こんもりした中央は焼き色こんがり。変化球なしの、ごくごく普通のオーソドックスな味。これがおいしい。「ドリアが食べたいなあ」と頭の中で、口の中で、ドリアを求めたときの ”その味” とズレのないド真ん中をいくうまさ。食べるたびに「これこれこれ〜!」とうれしくなる。お値段850円。「何度食べてもまた食べたい」を叶えられる価格もありがたい。

ああ、どうか、今年もまたちゃんと冬が訪れますように。そしてはふはふとこのシーフードドリアを食べられますように。

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冬の入り口 11月。笹塚駅にて。幡ヶ谷〜下高井戸、好きだな。つか東京むっちゃ好きだな。

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