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アネモネ(終)

一月の末に締め切り、二月半ばにに展示会と公開プレゼンテーションを終えました。たくさんの方の支えがあって優秀賞をいただくことができました。まぁよくを言ってしまえば最優秀賞が欲しかったです。
公開プレゼンで映像の音が流れないあたりのチェックの甘さが自分らしくもあり、悔しいね。言い訳はしないで反省します。
学科でやってきたことを全面的に無視して制作を進めていたりもしたから初めは賞なんてもらえるなんて思ってなかったけど、締め切りが近づくにつれ結果が欲しいと思うようになっていました。人間は欲が出るものですね。

この制作を進めてよかったと思うことは言葉にすると薄く感じてしまうかもだけど、多くの人との距離が縮まったことです。
今では協力してくれた花屋さんには何かあるたびに買いに行くし学校前にあのカフェに寄ったりもしてます。
キャストの人ともそれぞれと仲良くなれて嬉しかった。今までもMVやショートフィルムを撮ってきたけどこんなにキャストと仲良くなったことなんてなかったし、たくさんの刺激をもらいました。一生もんの仲間にしたいです。

三年の後半から脚本を考えて卒業制作ではこれを作ると決め込み、実際に制作し1年以上この作品のことを考えてきました。映像が完成し、多くの人から質問をいただきました。いつのまにかクオリティだったり映像以外の宣伝ツールの制作に必死になっていたけど、なんでこの内容にしたのかや、シナリオの細かい質問をされて、その時に1年前に考えていたことを改めて考えたり思い出したりすることができました。

うちが脚本を考えたのに、全然答えられない質問とかもあった。登場人物の心情が特にそれで、情けないことにうちも一緒になんでだろうね、とかそのあとどうしたんだろうね、とか答えたりしちゃった。

映像関係の職についている方、短編映画祭の運営などしている映画の評論家の方、そしてうちの身近にいる後輩や友達に見てもらったけど、それぞれ見ることが違くて感想聞くのが楽しみになってました。


多くの質問とその回答をいくつかだけ載せておこうと思います。


アネモネの花以外にも、期待・愛などの意味を持つ花は沢山ありますが、
アネモネを選んだ理由はありますか?
→アネモネを選んだ理由を初めて人に言います。実はアネモネもギリシャ神話に出てくる美青年アドニスのお話に登場する花でそこからこの花言葉となっていることも知って、いいなって思ったのも一つかな。そして一つの花が色ごとに花言葉が違くて3つも意味があるのも素敵だなって思ったからかな



シンヤが結局言い出せずにいたっていう現実をみると、
やはりLGBTの人からすれば、「やっぱ現実は厳しいか」
とも取られかねないのかなって思ったりもしました
→もともとは主人公を完璧に真也にして自分が同性に恋をしていること、そして祐実からの告白に断りそして自分の想いをしっかりと伝えるっていうパターンも考えました。でもそんなときにLGBTである人の講演会や同性愛を題材にした短編映画祭に行ったりしてみて、やはり自分の気持ちを言うのは難しいだったり受け入れてもらえるか不安っていう声が多くあって、LGBT対象者ではないうちがそこで簡単に告白とかさせていいのかなとか思って、想いを伝えるっていうシーンは描きませんでした。LGBTの人にも勿論見てもらいのだけど、一番は対象者ではない人に同性愛っていうのは男女の恋愛っていうのと同じなんだよ、人として好きになるんだって言うのが伝わればいいなって感じでした


ゆみは、しんやが悠馬を好きだということ勘付いていたみたいですが、
なぜ真也の自宅での食事のシーンの前に目を合わせて頷いたのですか?
→ゆみはこの時点では、しんやが悠馬に好意を抱いていることには気づいていません。カフェのシーンでしんやが自分の話を聞いていなかったり悠馬にばかり向いてるところから怪しみはじめ、まりちゃんと悠馬の対面しているところの慎也の様子で確信に変わります。
このシーンで目を合わせてニコリとするのは、純粋に好きな男の子と目があって可愛い姿を見せたいと思って欲しかったから。ちなみにこの裏設定としては、このカットはしんやは悠馬のことを見ていて、それを祐実に見られてドキリとしているのが本当。でも、それはあえて分かりにくくして祐実としんやは両思いなのかな?というふうに思わせるという狙いではあります。



感想など質問など考えさせられたものがたくさんあるので載せたいところですが、なんかすごく長くなっちゃいそうなのでやめときます。



終わってからは達成感よりも寂しさばかり残っていたのですが、私には卒業してからも次があります。もう十分余韻には浸りました。これはこれで大切であることは変わらないけど、もう切り替えるぞ!!やっとエンドロールを作る気になりました。

いつかビックな人間になって見せます。自分が関わった作品で人の心を動かしたいです。自慢したくなる人になるために、目の前にできたものをコツコツやっていきます。目の前が見えなくなりがちなので、たまにガツンと言ってください。



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