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ファシリテーターにとっての「チェックイン」

場づくりにおいて大切なポイントは、場の最初から最後までを通して、きっとたくさんあるのだと思う。

ただ、ファシリテーションにおいて「場の冒頭にどう在るか・何をするか」は、場づくりの成果(?)の80%ほどを占める気がする。(数値は私の感覚値)


チェックインの前に、まずは私が「心を開く」

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チェックインとは

代表を務める よさがみえるラボ で最近公開した記事がある。
チェックインが大切!という記事だ。

チェックインとは、本題(会議の議題など)に入る前に、参加者全員が「今から会議に入る」ということを意識できる時間のこと。
主に、参加者の気持ちや状態を共有するということを行う。全員が発言するものだ。

詳しくは、ぜひ上の記事を読んでいただくとして…
このnoteでは、一ファシリテーターとして、マニアックなことを書き散らしてしまおうと思う!


チェックインの前に

ファシリテーションでは場の冒頭が大事、と書いた。私の場合、ワークショップ(たとえば8年以上開催しているオリジナルの場、「あなたの良さがみえるcafe(良さcafe)」)でも、企業での参加型研修でも、第一声でチェックインを求めることはしない。

チェックインに入る前の、ちょっとした話をする。
良さcafeを始めた経緯、そのときの私の気持ち想い気づき
企業研修ならば、どんなきっかけで今日のこの場が開かれることになったのかなぜあなたたちに参加してもらっているのか、そして今日の内容などを簡単に伝える。

この時間は、ファシリテーターとして場づくりを一番意識しているかもしれない。ここで私がどのぐらい「心を開くか」が、この後のチェックインで参加者が安心して発言できるか、に直結すると思っているからだ。


チェックインでは、場に「受けとめる」を拡げる

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その上で、「この研修が終わったとき、どうなっていたら最高ですか?」という質問を投げかける。
良さcafeの場合だと、「ここへ来たきっかけは何ですか?」という問いを投げる場合が多い。

チェックインの前に5分ほど話した私が、十分に心を開けていてそれが伝わっていたならば、場にいる参加者の人たちは「何でも言って大丈夫そうだな」とある程度の安心を持って、何かしら書いてくれる。

そして、書いたことをひとりずつ読み上げる形で伝え合ってもらうのだが、その時間がまた、ファシリテーターにとって重要な時間だ。
その日はじめて発言しているすべての人を、ひとりひとり「受けとめて」いく時間。

良さcafeでは、「友達のAちゃんが参加すると聞いたから参加しました。良さcafeに惹かれたというより、久しぶりにAちゃんに会いたいから来ました!」と言った人もいた。
こう言われてちょっとムッとするタイプの主催者やファシリテーターや講師の人もいるんじゃないかな、と思う。大切に場を開いている人だったりしたら特に。
私はちょっと寂しさは感じたけれど、その方の「Aちゃんに会いたい」というストレートな気持ちを受けとめた。
Aちゃんとの再会の場としてここを選んでくれてありがとう、きっとベストなことが起こるよね。感覚としては、そんな感じ。

企業研修では、「この研修のテーマを見て、私には必要ないんじゃないかと思って、正直、懐疑的です」と言った人もいた。
全体で20人ほどの場で、グループごとでチェックインをしてもらっていた場だったけれど、私はそれをキャッチした。会社や同僚への不満をたくさん持っていそうな方だった。
ちょっと動揺したけれど(笑)、その人が「懐疑的だ」と言える場になっているという視点では場づくりOKだ!とも思った。同じグループの人たちは動じずに自然に「受けとめる」ことをしていて感動さえした。

どんな意見も、どんな声も、ただただ「その人がそう思ったということ」「それを場に出したこと」を祝福するように、受けとめていく。

チェックインの時間は、私にとっては

「受けとめているよ」「この場は『受けとめ合う』場だよ」

と全力で伝える時間でもあるのだ。


「チェックイン」よ、君はそんなに偉大だったのか!(笑)

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正直に言おう。

今回、たまたま よさがみえるラボ の最新記事がチェックインについてだったので、チェックインについて何か書きたいな、とnoteを書き始めた。

私自身のファシリテーションや場づくりを振り返りながら、このnoteを書き進めるうちに、チェックインの偉大さに気づいてしまった。書き始めたときはまだ、チェックインの「受けとめる」を場に拡げる、という大きな役割には気づいていなかったのだ。

参加者が一度自分に目を向けて、その場で発言できること。
それによってお互いのこと(今の状態、気持ちなど)が分かり、安心感が高まること。
そういった参加者目線でのチェックインの役割は以前から認識していた。

でも、実は、場づくりをするファシリテーター目線で言うと、チェックインに担わせている重要な役割があり、私はそれをフル活用して恩恵を受けていたのだった(笑)
ありがとう、チェックイン。

チェックインを制すものは場づくりを制す。
…のかもしれない(笑)


場づくりの道は続く。




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