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Osterfestspiele Baden-Baden 26.03.24 オペラの記録:バーデン=バーデン復活祭フェスティヴァル、ペトレンコ指揮ベルリン・フィルの《エレクトラ》(3月26日、バーデン=バーデン・フェストシュピールハウス)

3月26日、バーデン=バーデン復活祭フェスティヴァルでのR.シュトラウス作曲《エレクトラ》を観ました。

今年の同フェスティヴァルは3月23日から4月1日まで開催されています。
期間中はベルリン・フィルがオペラ、シンフォニー・コンサート、室内楽などを演奏する、事実上、ベルリン・フィルのフェスティヴァルです。
通常はピットに入ることのないベルリン・フィルがオペラを演奏する、他に例をみないフェスティヴァルで、したがって目玉はオペラ公演です。
今年はR.シュトラウス作曲《エレクトラ》が3月23、26、4月1日の3回、上演されています。

フェストシュピールハウスの正面入口。レッド・カーペットが敷かれています。

チケット窓口。
この劇場はバーデン駅の跡地に建てられました。チケット売り場は以前の駅の切符売り場(Fahrkarten は汽車の切符を意味します)を使っています。

1997年、当時のバーデン=バーデン市長の肝入りで多目的ホールの建設が計画されました。
座席数2500のこの劇場はドイツ最大の規模です。
1998年、ゲルギエフ指揮で柿落としをしたものの、すぐ経営難に陥ります。

ここで登場するのはアメリカの投資家アルベルト・フィラー(Alberto Vilar)。
フィラーは大のオペラ・ファンで、ザルツブルク・フェスティヴァルやバーデン=バーデンなどに総額225百万ドルの寄付をしたとされています。

しかしフィラーは2010年、投資詐欺罪で有罪判決を受け、2021年に没しました。

2000年当時、フィラーの名前をよく耳にしましたし、長身痩躯の品の良いフィラーがゲルギエフやドミンゴと一緒に写っている写真をよく目にしました。

さて、バーデン=バーデンは欧州でも有名な保養地です。絢爛豪華なカジノもあります。
ここに魅了された有名人は数多くいます。ブラームスが住んだ家は郊外にあり、近くにはクララ・シューマンが滞在した家もあります。ブーレーズはここに住んでいました。
ドストエフスキー、ツルゲーネフをはじめとして、歴史的にロシア人が多く、いまでもホテルなどはドイツ語、英語、ロシア語表記のことが多い。
以前、バーデン=バーデンの不動産の30%以上がロシア人の所有と言われていましたが、現在はどうでしょうか・・・。

さて、ベルリン・フィルのフェスティヴァルであるバーデン=バーデン復活祭フェスティヴァルは2013年から始まりました。
ベルリン・フィルはそれまでザルツブルク復活祭フェスティヴァルに出演していたのですが、バーデン=バーデンに引っ越しをしたわけです。

しかし、ベルリン・フィルは2026年からザルツブルク復活祭フェスティヴァルに戻ることになりました。
2026年からバーデン=バーデン復活祭フェスティヴァルに入るのはコンセルトヘボウ管とマーラー室内管と発表されています。

さて、《エレクトラ》のプログラム。

内部。

フォワイエ。

上演については後日『音楽の友』誌で取り上げる予定です。

ペトレンコの解釈にはハッとしたところもあり、これまでモヤモヤとしていた部分が、いきなり明確な輪郭で提示された気分になり、これは私にとって大きな収穫でした。

ところで、上記のようなことについても、のちに詳細を述べたいと思っています。
また、演出の意味や(めったに上演されない)作品の紹介なども併せて、今後は内容によって有料記事としてご紹介したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

上記写真:(c)Kishi

以下は同フェスティヴァル提供の写真です。(c)Monika Rittershaus


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