指揮者ギュンター・ヴァントのインタヴュー再録(記事のお知らせ)

2000年秋、日本のクラシック音楽界は騒然となりました。
ギュンター・ヴァントさんが北ドイツ・ハンブルク放送響(現NDR響)を率いて、88歳の高齢で来日したのです。

2000年11月12、13、14日の3日間、場所は東京オペラシティでした。

プログラムは3日間とも同じ、シューベルト《未完成》、ブルックナー《交響曲第9番》でした。

私もこの時ヴァントさんに同行し、同じホテル(新宿の東京ヒルトン)に滞在しました。

ヴァントさん来日は、日本だけではありません。ドイツも大きくとりあげました。
現桐朋学園大学学長の梅津時比古さんが、ドイツのテレビ局のインタヴューに答えて、「ヴァントは日本では神」と述べる姿もドイツでも放映されていました。

この来日にあたっては、「日本への旅の身体的負担が大きく、体調を崩したらヴァントさんの音楽が聴けなくなる」という来日反対派の動きもありました。

これはヴァントさんの音楽を尊敬する故の心配ではあったのですが、ヴァントさんの本心はどうなのか、ナマの声を聴きたいという要望も多く、ヴァントさんのインタヴューをしました。それが『音楽の友』誌に掲載されました。

今回はそのインタヴューの再録です。

ヴァントさんは途中で口ごもったり、興奮したり、話がとんだりしたのですが、その雰囲気をインタヴューでも出そうと、綺麗にまとめることはしなかったのですが、それは読者に伝わるかと思います。

ヴァントさんは2002年2月14日、90歳で亡くなりました。
89歳の誕生日の1月7日、これはヴァントさんが元気でお祝いできた最後の誕生日だったのですが、スイスのご自宅に招かれ、一緒に夜遅くまでお祝いしました。

ヴァントさんについては、すでに出ている伝記ではわからない部分、私だけが知っている事実もいろいろあります。
没後ほぼ20年も経ち、関係者の多くも故人となり、そろそろ書けるかもしれないと思いつつ、いろいろあって難しい、というのが正直なところです。

でも・・・

ヴァントさんのような指揮者の音楽に出会えたことは人生の宝物です。

記事は以下です(11月18日発売)。

『至高の指揮者たち ー 20~21世紀の名指揮者が語る音楽と指揮芸術』
ONTOMO MOOK、音楽之友社、『音楽の友』&『レコード芸術』編

・ギュンター・ヴァント 104頁~109頁

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