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消灯時間前

「ちほちゃん。肺炎?大丈夫?じゃないか。
奇遇ですが私も先月から1か月以上入院してます。骨折で」

「えぇ〜奇遇〜!!
じゃねえのよ」

てやり取りが学生時代の友と入院中にあって、どういう縁なのと笑ってしまった。
彼女とは学校内外で舞台を作ったり
NYや韓国へ旅したり
色んな思い出があるけど
同時入院の思い出までできるとは。


待てよ、
そういえば昔彼女が入院した時に池尻の病院へ私がお見舞いに行った事も、
私が水疱瘡になって「成人してからの水疱瘡は命の危険があります」と担当医が4人も付き「研究のためにお願いします」と診察時に学生がゾロゾロ見学に来る二重扉の隔離病室に入院した時に(あれが人生初の入院だったな、今回が2度目)彼女が防護服を着て(着ないと入れない部屋だった)お見舞いに来てくれた事もあったっけ。


 はからずも今回、同時期に長めの入院をして
素晴らしい看護師さん達のお世話になり
看護師という職業に憧れる心を持つ育ち方をした人と
なんだか表現者になる育ち方をした人との違いに
(私はその「育ち方の違い」には天国と地獄ほどの差があると感じるが、もう絶望は過ぎた。)
それぞれのベッドの上で思いを馳せていた私たちは、消灯時間前のLINEで盛り上がったのでした、奇遇にも。

どんな縁よ。


 数年会わなかったり、急に連絡取ったり、
これから先に今は予想も付かない偶然が起きたり、また何かを積み重ねたりすることもあるんだろう。


深くは話してないけれど、彼女も、
自分と向き合うタイミングだったのかもしれない。

縁があるってそういうことなんだろう。


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