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「子のいる暮らし はたらく私」vol.2 子どものことも考えて動くっていうのは逆に波がある身にとってはよかったりもする

「子のいる暮らし はたらく私」インタビュー2回目は、小学校3年生と1年生のお子さんをもち、フリーランスで足もみをされているSさんにインタビューしました。

足もみの技術を習得したのは大学生のとき。大学休学中に資格を取得して短期集中で就労、その後家族と周りの勧めで復学。大学卒業後は、職業としては足もみを選ばず、家族や近しい人に施すことを続けていました。再び、仕事と足もみが繋がったのは、2人目のお子さんを出産した後のこと。参加していた子育て支援の場を受け継いでみないかと声をかけられたときに、その運営費を賄うためにできることとして思いついたのが、足もみでした。

この頃、一人目のお子さんは幼稚園に入園。二人目のお子さんを連れて、お客さんも子連れOKで、足もみを始めてみることに。しばらくやってみたものの、双方子連れでやることの限界を感じ、お子さんなしで足もみをやる模索を始めたそうです。

流れに流されてやってるところもあって、なんかときどき周りの人に気をつけた方がいいよとか言われるんですけど、「あれまた流されてない?また最後苦しむことになるじゃんって。」

結果的には、子育て支援の場を受け継ぐことはなかったが、足もみをやってみたことが「足もみを仕事にしてみよう」と考えるきっかけになりました。その後 Sさんは、さらに流れに乗って、市の女性起業セミナーに参加。

 セミナーの先生が、「あなたは波があるから自分でも波をみながら進めてくださいって。子どもが小学生になったらまた変わるから。」って言われてました。
 乗ってるときは乗ってるし、落ちちゃうときは「誰にも必要とされてないんじゃないか、私、やってどうするんだろう」とか。それでも何もない状態にしてるとよくないなっていうのは自分でもあって。何か新しい取り組みをやってみると。のろのろ亀ペースでもちょっと自分でやろうという意識はあって。

セミナー終了後に、仲間とイベントを開催したのをきっかけに、様々なイベントに出店するようになります。いい波に乗ったかのように見えた Sさんですが、新しい展開が見えてきた直後にコロナ渦に突入。さらに小学校入学後、お子さんが学校に行くのを渋る日も度々出てきたそうです。試行錯誤するなかで、思い浮かんだのは自分が小学生だったころの記憶でした。

 私が1回だけ、別にお腹も痛くないんだけど、行きたくなくて「お腹痛い」って言って「休みたい」って言った時が小学生の時にあって。ふざけて言ってるときは母も「何言ってるの早く行きなさいよ」って感じだったんですけど。そのときは「じゃあ休んだら」って1回だけ言った時があって。「え?いいの?どうしよう」みたいな。そのときは、なんだろう、日向ぼっこで母の膝枕で耳かきをしてもらうっていう。「今日何?なんで今日はお母さんはそんな優しいんだろう?」って。そこを通るたびに、「そんなの行かせればよかったんだ」って。おばあちゃんが。それでもお母さんは動じなくて。1回だけだったんですけど。すんなり受け入れてもらえたのが嬉しかったんですよね。

 ふと、それがよみがえって。「そっか、おじいちゃんおばあちゃんもいるような大所帯じゃないから、だれか受け止める人がいないと、この子は誰に吐き出せばいいんだろ。」ってなった。家族がいればいろんなことを分担できるけど、いない分、いろいろやるのは仕方がないのかな、みたいな。ねー…、でもそんななんでも受け止められるわけじゃないからなー。お母さん、そんなに人間出来てないからなー。

コロナがあってもなくても、子どものいる暮らしの中ではたらくというのは、そうでなかったときとペースが全然違う。

 ただ、自分のお店みたいなのを起業したいってところに走れるわけじゃなくて、子どものことも考えて動くっていうのは逆に波がある身にとってはよかったりもすると思いながら…。気持ちのやり場に困ることもありますけど。
 でも、最終的に決めたでしょっていうのを自分に振る意識はしていて。誰かのためにっていうのにすると、その人を責めちゃうから。できるだけ自分がやりたくてやっているっていう位置に収まるようにっていう意識はあります。

今はお子さんのことも以前より落ち着き、少しずつ地元のお店で足もみをすることも増えてきたそうです。

 出来ないなりにも地道にやってみていることで、予約のメールが来たみたいな…、「私泣きそう、がんばろう」みたいな。今までやってたところがうまく進まなくなっていると、別のところから話が来たり。あれ、私周りの人に助けられて生きてる…。今度、地元のお店でやらせてもらうときに、昨日思いがけないところから予約をいただけたので。なんかがんばろうって。そんな感じですね。


インタビューを終えて

私自身が乳児を抱えていた頃、彼女のように子連れで何かを始めてしまう人を「すごいな」と思ってみていた。なんとなく流れで足もみを始めたという話を聞いたとき、そう言われてみれば私はそんな流れに乗るようなことはしてなかったなと思った。子の食事、昼寝といった1日のリズムはしっかり守りたい方だったし、児童館や子育て支援の場に出かけることも少なかった。どっちがいい悪いではない。でも私の「すごいな」という気持ちには、自己嫌悪とかいろいろネガティブな感情も含まれていて、そう感じなくてもよい社会だったらいいなと思う。

我が家の長女は来年小学校入学。子が小学校に入れば、よりはたらくにシフトできそうな気もするけど、果たしてそれができるかどうか。はたらくと子に寄り添う時間の塩梅が難しい。折しも学童申込期限が迫っていたりして、「そんなこと今聞かれても」と思う今日この頃。子の思いを受け止めるというお話があったけど、子が放課後過ごせる場所もいろいろあったらいいのに。親子だけではなくて、大人と子どもがいろんな関係性で繋がり合うのが理想だな。

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