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不屈の精神

負けたことがあるから負けず嫌いなんだ!

成功を収めている人は、スポーツ界でも多く存在する。各スポーツ界の神とも呼ばれるほどの存在。

その一人として、今回は私の大好きなプロテニスプレイヤーのロジャーフェデラー選手を取り上げる。

彼の主な実績

・グランドスラム優勝20回

・通算優勝回数:103回

・通算マッチ勝利数:1242勝

・ウィンブルドン5連覇

・歴代最長世界ランキング1位保持記録:310週(およそ6年)

・・・・・・など、さまざまな記録を持つフェデラー選手。

間違いなく、テニスの歴史において最も成功を収めてきた選手だ

ろう。

しかし、そんなフェデラー選手だが、これまで大きな成功しかしてこなかったのかといわれれば、そうではない。むしろ、失敗の方が多いはず。私はフェデラー選手の大ファンである。これまでいくつもの試合を見てきた。現在39歳で、今年は40歳を迎える年だ(未だに世界ランキング5位)。2016年のウィンブルドン準決勝(7月8日)、1月の全豪オープン準決勝、対ノバクジョコビッチ戦で膝を怪我して、その怪我が完治していないのにも関わらず、大会に出場した。しかし、その準決勝で悲劇は起きた。ファイナルセットに突入し、お互いに後がない状態。フェデラーの膝はすでに限界を超えていた。なんと、プレー中に膝から転倒してしまったのだ。これにはスタンドの皆が唖然となった。私も泣きそうだったくらいだ。そしてその試合は敗れてしまった。自分のホームでもある聖地ウィンブルドンでの、屈辱的な敗戦。

そして、ツアーから半年間離脱し、迎えた2017年。誰もがフェデラーの時代は終わったとささやかれていた。復帰戦である2017年全豪オープン。世界ランキングも17位まで落ちていたフェデラーは、初戦から順当に勝ち上がり、なんと決勝まで進出。そして対戦相手は永遠のライバル、ラファエルナダル。実はナダルも2016年、怪我の影響でツアーを離脱していたのだ。両雄の復活に、世界中のテニスファンが湧いた。試合はファイナルセットへ、しかし、ここでもフェデラーはメディカルタイムアウト(休憩中にトレーナーを呼び治療を受けること)を要求し、膝から太ももにかけて治療を受けた。誰もがナダルの優勝を予想しただろう。しかし、状況は一転。なんと立て続けにフェデラーがポイントを奪い、見事有終の美を飾ったのだ。グランドスラムの優勝は5年ぶりだったフェデラー。世界中がこの時を待っていた。世界中が涙した。見事に完全復活を遂げたフェデラー、7月のウィンブルドンでは、7試合すべてストレート勝ちという偉業を成し遂げ、昨年の雪辱を果たしたのだ。その年は、ナダルが世界ランキング1位で、フェデラーが2位でシーズンを終えた。

2018年、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ全豪オープン。復活したフェデラーは誰にも負ける気配がなかった。初戦から準決勝まで、すべてストレート勝ちで決勝へと進出。しかし決勝戦は、昨年同様ファイナルセットへと突入した。始まっていきなりピンチを迎えたフェデラーであったが、それを切り抜け、その後はフェデラーのワンサイドに。見事全豪2連覇、グランドスラム20回目の優勝を果たしたのだ。試合後のファンの前でのスピーチ、プレー中の静かなフェデラーが、感極まって男泣きした。そしてこの後、歴代最長世界ランキング1位の座に着いたのだ。

ここまでで異常な強さを持ってプレーするフェデラーだったが、ここからがフェデラーだった。2019年、再びウィンブルドン決勝の舞台に臨んだフェデラー。相手はノバクジョコビッチ。ファイナルセットへ突入し、先にフェデラーがマッチポイントを握った。誰もが決まったと思ったが、ジョコビッチがこのピンチを切り抜け、そのままジョコビッチが優勝。私もこの試合をすべて見ていたが、内容は圧倒的にフェデラー優勢だった。にもかかわらず、試合に敗れたフェデラーは、肩を落とし一人ベンチでぼーっとしていた。聖地ウィンブルドン、フェデラーが最も成功を収めてきた舞台での屈辱的敗戦。もう立ち直れない、もうジョコビッチには勝てないのではないかと思われた。

しかし、11月のATPファイナルズ(年間成績上位8人しか出られない大会)の予選。グループ1勝1敗で迎えたフェデラーとジョコビッチ。勝った方決勝トーナメント進出という大1番。フェデラーはもちろん、ジョコビッチも気合いが入っていた。日本時間朝5時。私も早起きしてこの試合を見守った。悔しさを力に、フェデラーは序盤から攻撃的なテニスで試合を進めた。一方ジョコビッチも得意のディフェンスで対抗。しかし、やはりこの日のフェデラーの攻撃は世界1のディフェンス力を誇るジョコビッチでもどうすることもできなかった。結果はフェデラーの6-4,6-3の圧勝。リベンジを果たしたのだ。この大会は準決勝で敗れはしたものの、当時38歳でもまだトップで戦えることを世界中に示した。

現在もツアーから離脱しているフェデラーであるが、来月復活予定。不死鳥のごとく何度でもよみがえるロジャーフェデラー。これほどの負けず嫌いは、この世にいないかもしれない・・・

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