ラーメン凪の生田悟志という男

僕はラーメン凪の生田悟志という男が好きだ。
何が好きかというと、いつもチャレンジをしているところがだ。
渋谷『豚王』の時は毎日違う限定ラーメンを出していた。その時から変わっていない。
一言で言うとあいつはトライアンドエラーの男だ。

とりあえず、何かやりたいと思ったらやってみる、それを圧倒的な量で行い、データとして蓄積する。それがいまのラーメン凪を作ったと言っても過言ではない。
もちろん、西尾ちゃん、なっちゃんのような優れた参謀の存在も忘れてはいけないが。

『ソラノイロOKINAWA』のオープンで滞在していた沖縄から戻ってすぐ、神田にオープンした『BUTAO』に向かった。
凪が新しいブランドを立ち上げるということで、嫁と行ってきた。

入ってすぐ、違和感しかなかった。
なんかふんわりした音楽が流れ、デジタルサイネージが店内にあり、デザインもスタイリッシュ。
今までの凪とは180度違っている。凪ファンは違和感を抱くだろうと思ったが、それは良い違和感だ。

人は過去に経験したものでしか、今目の前にあるものを捉えられない。ブランドや店や人に対してもレッテルを貼り、自分の中でイメージを固めていく。
「らしい」とか「らしくない」とかいうのは、その人の固定観念にすぎないと思う。

だから、新しいことにチャレンジする時は、いつも違和感を感じさせてしまうものだ。
僕のベジソバもそうだった。

お客様、同業の先輩、そしてSNSで「こんなのラーメンじゃない!」って何度言われたことか。
だけど、それがチャレンジであり、それが唯一無二であることだと思う。
何かを言われても、それに屈してはならない。自分のやりたいことを初志貫徹し、やり続けることが大切だ。

生田が3ヶ月間のニューヨーク滞在で感じたであろうことが、この店にはたくさん詰まっている。席にあるポップに書いてあったミッション、ビジョンのような文言がそれを語っているようだ。
おそらく、スターバックスの経営理念に共感して、それを凪流に表現したのではないか、僕は勝手に推測した。

これにはとても共感できたし、表現は違うが同じことを考えているなあと感じた。
株式会社ソラノイロも経営理念があり、僕の修行先の力の源カンパニーも経営理念がある。

ラーメンの味は趣向であり、あくまでその人の好みでしかない。
だが、一杯の丼には店主の、オーナーの思想や哲学や思い、汗と涙が詰まっている。

だからラーメンは面白い。

僕は神田『BUTAO』で、そんなことを強く感じた。

味うんぬんはもちろん大切だが、生田悟志の思いをこの店に感じに行ってほしい。
客のひとりとして、友達として、良きライバルとして、そう強く思いました。

生田、がんばろうぜ!
ありがとう。

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