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偶然の出会いとお散歩

昨年4月から、近所の友人と週に1回くらい散歩をしている。
毎週この曜日に必ず!と決めているわけではなく、お互いが夕方時間のある日であったり、私が在宅勤務の日と彼女の休みがたまたま重なった日であったり、適当に予定を合わせて1時間ほど歩く。

この友人との出会いはある喫茶店での読書会だった。月に1度開催されるこの読書会は、毎回10人から20人ほどが集まり、その中でさらに4人ほどの小さなグループに分かれて自分の好きな本を紹介し合うという会だ。
もともと読書会に参加していた別の友人に誘われ、昨年1月に初めて参加したその会で彼女と出会った。

私が彼女に感じた第一印象は「可愛い子だなぁ」だったと思う。今もそれは変わらない。
話をしているうちに住んでいる場所がとても近いことがわかり、ぜひお茶でもということで後日改めてお茶をして、どういう流れか忘れてしまったが一緒に散歩をするようになった。

歩いていると季節の移り変わりに敏感になる。当然のことながら木や花の色は変わっていくし、鳥や猫など動物の動きも季節に合わせて変わる。寒さや暑さはダイレクトに人間の身体にも影響するし、それに伴い街の匂いや雰囲気まで変化していく。

彼女と歩きながら話を聞いてもらったり聞いたりするのだが、これが自分にとってとても重要な時間であることは間違いない。実際なかなか予定が合わず少し期間があいてしまったりすると、なんとなくモヤモヤして早く会いたいなと感じる。

実は前述した読書会に私が参加したのは、彼女と出会った1回のみだ。その後はなかなか予定が合わず、そうこうしているうちにコロナの流行も始まってしまった。開催場所となっていた喫茶店は今年2月いっぱいで40年以上続いた歴史に幕を下ろすことが決まり、もうあの場所での読書会に参加することは永遠にできなくなってしまった。

こんなご時世になり、“偶然の出会い”の機会が減ってしまったように感じる。もちろんオンラインの便利さに気付き、私自身も大いに活用している。ただ大人数で行うオンラインの会では雑談はしづらいし、自分と相手との共通点を探すのも難しい。

この先どうなっていくのか、先の見えない世の中だ。それでもそんなことお構いなしに、季節は巡る。厳しい冬を乗り越え、春になればまた桜が咲くだろう。
春の訪れを心待ちにしつつ、日々の変化を楽しみながら過ごしていこう。

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