【曲感想文】ユアネスの「紫苑」を聴いた

10月10日のJ-Wave「THE KINGS PLACE」でラジオ初オンエアされた、ユアネスの新曲「紫苑」を聴いた。

11月20日にリリースのユアネスの新EP「ES」に収録される新曲である。

音楽知識も経験も無いただのファンだけど、紫苑を聴いた今の気持ちを残しておきたくて、文字に残すことに挑戦しようと思う。


と、書き出してみたはいいけれど、さて、この美しい曲のことをどう言葉にしようか。いきなりためらってしまうくらい、息を飲むような美しい曲。

初めて聴いたのは9月14日、mol-74とのツーマンツアー「White Line additional tour」の渋谷公演だったのだけれど、新曲をやりますと言って演奏を始めた4人の表情がいつもにも増して丁寧で、何かへの想いに溢れていて、同時に演奏できる歓びのようなものも滲んでいるように感じたことを覚えている。

ラジオのオンエアで改めて聴いて、細部の精巧さ、丁寧さ、音の美しさに改めて息を飲む。


曲を書いたギターのソへくん(古閑翔平くん)は、紫苑の花言葉「追憶」「あなたを忘れない」「遠方の人を想う」の元となった今昔物語の、この世を去った父親を想う兄弟の話からインスピレーションを得て書いたと言っていた。

誰かを想う気持ちは美しい。家族、恋人、友達、同僚、子供、大人、老人、誰に対する気持ちであっても大切で、美しい。

それでもいつでも誰かを想っていられるわけではない。

忙しい日々の中で波に飲まれ、自分を保つのに精一杯で、人のことを想う気持ちの大切さを分かっていながら疎かにしてしまう瞬間は誰にでもある。

「ずっと快晴じゃ 心は枯れ果ててしまう」

そんな瞬間も否定しないで、寄り添ってくれるような歌詞。Aメロ〜Bメロでは、「誰かを想う」だけでなく、この歌自体が聴き手に寄り添って、大事にしてくれているように感じる。枯れ果てかけた心が少し解きほぐれる。

サビからは、解きほぐれた心をかつてや今支えてくれた、力を与えてくれた、一緒にいてくれた大切な人の存在と、その人への気持ちを思い出す。

簡単に救ってもらったり助けてもらったりなんてことはできなくても、人への想いだけでちょっと温かくなって、もうちょっとだけ頑張ろうと思える。

「いつかはあなたが誰かも分かんなくなって」

それでもその人を想う気持ちの部分だけは残っているのではないかと思える。そう思えることに安心する。


恥ずかしいなと思いながら、ここまで私の心の動きを書いてみたのは、私ごとながら、本当に大切で心を支えてくれていたけれど、もう今の人生では会えない人が私にはいて、その人への気持ちとあまりにも重なる部分があったから。

私自身の気持ちは、もう会えない悔しさ、悲しさ、あまりに近い存在だったが故にこうして思い出すことへの気恥ずかしさ、とかが混ざってしまうのだけれど、ユアネスの「紫苑」を通して投影してみると、なんだか美しいものに思えてくる。


「紫苑」という曲と、最初に聴いたときの美しい衝撃、心の動きを残しておきたくてここまで書いた。

もう少し語彙があれば、もっと深く、細部に渡って美しさを残せるのだけど…。

今の私が残せる精一杯を文章にしようという気になって良かった。


11月20日にESがリリースされたら、細部までじっくり聴こうと思う。

黒川くんの優しさそのものな、透明な声、ところどころに散りばめられたキラキラした星みたいなギターとキーボード、サビの途中でさらにグッと盛り上がるドラム、アウトロでもう一度惹きつけられるベース、もっともっと好きなところを見つけたい。(アウトロのベースのかっこよさを最初に見つけたときはドキドキしてしまった)

まだ気づいていない深み、細部の綺麗な音がきっとあるだろうから、CDを手に取ってジャケットを眺めながら聴くのが楽しみだ。


大好きなユアネスのこんな美しい曲に出会えて幸せな気持ちをずっと覚えていよう。

ユアネスの皆さんと美しい新曲「紫苑」に感謝を。