映画『逃走中』についてつらつらと

あまり評判は良くないらしい(怖くて詳細は見てない)
悲しいけど、正直確かに"逃走中をドラマ映画化"と期待していた人には期待外れだと思う。逃走中ファンなら怒ってもいい。
逃走中というコンテンツのネームバリューを利用しただけじゃないかと言われても仕方ない。
ただ、最初から夏休みのファミリー向け映画(だよね??)だと言われてたらここまで反感買わなかったんじゃないだろうか。
逃走中という要素も置いといて(本末転倒だが)そういうもの(夏休みのファミリー向け映画)だと思えば普通に面白かったんじゃないかな。

何せストーリーそのものはすごくよくできてた。
6人の絆を取り戻すとか言うから皆で協力して事を起こすのかと思ったら。
そうか、"繋いでいく"のか。
それでリレーの選手なのか。
6人がそれぞれの想いで繋いで、そして最後の最後は未来ある子供が選択を担うという展開には胸が熱くなった。
ゴリとダンを従えてワイルドハンターに向かっていくところなんか違う話が始まったのかと思った。
戦隊モノのラストバトルやん。激アツ。

そしてとにかくきまちゃんの演技が良かった。
21ゲームでのご乱心、闇堕ち賢くん、からのクライマックスでオイシイところ全部持っていきーの、きまちゃんにやって欲しかったもの全部盛りで狂うかと思った。
カイ君も。
セリフが無い中でのあの表現力はすごい。
ラストのKとの対峙シーンはカイ君の演技あってこその説得力だった(それを見守るKの眼差しもまた良いんだわ)

だからこそ、ラストの安直さがもったいなかった。
あんなガラガラポンで終わらせて欲しくなかった。
瑛次郎はバトンパスを失敗したことをずっと悔やんでいて今度こそ命をかけてバトンを渡して。
勇吾はあの時の譲司が自分と同じ境遇だったとわかってわかり合うことができて。
賢は密かにコンプレックスを抱いていて自分の所為で瑛次郎を死なせてしまいもう一度会って謝りたくて。
譲司は自分の弱みを仲間に知られたくなくて壁を作っていたけれど本当はずっと謝りたいと思っていて。
大和はそんな皆からのバトンを受け取って最後に決死の覚悟で走って。
陸やマリもカイ君への励ましを残して彼を動かして。
そうやってここまで繋いできたのは一体何だったのか。

個人的にはそこが一番納得いかないところであったけれど、そしてツッコミどころは他にもたくさんあったけど、そんな言うほどあれではなかったと私は言いたいです。
機会があったら是非見てください。

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