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世界遺産のピュイ=ド=ドームと、ピスタチオのフォンダン・ショコラ

フランスの中央高地オーヴェルニュ地方の、クレルモン=フェランの街は、黒い。だからロメールは冬の雪の時期に、白と黒のこの街を、まさにモノクロで撮った。ここまで色の黒いカテドラルは、そうそうない、と思う。

それは、火山の溶岩石で、つくられているから。ここは火山地帯なのである。ヴォルビックVolvicの採水地も、ここ。

そういうわけで、クレルモン=フェランに映画散歩にきたついでに、街からバスで30分くらい乗ったところにある火山地帯、ピュイ=ド=ドームPuy-de-Dômeへ行ってみた。ピュイとはオーヴェルニュ地方のことばで、円錐形の小さな火山という意味。

11000年前に形作られたという、休火山帯。世界遺産に認定されたばかりということで、話題らしい。

前の日に、旧市街の中心、カテドラルのすぐそばにある観光案内所で聞くと、ジョード広場Place de Jaudeからバスが出ていると、教えてくれた。しかし広場のどこなのか、まったくわからない。

知らない土地でバスに乗るときにむずかしいのは、バス停の場所を特定することではないかと思う(あと降りるところを間違えないこと)。バス停があっても、方向があっているかどうかを、確認しなければいけない。

バス停は両方面に、二つずつあった。市バスとは別のバスなので、別のバス停なのではないかと不安になるが、いくら探しても、ほかのバス停はない。

バスは2時間おきの出発。場所がわからないと困ると思って、30分くらい前に行っておいたが、その間ここでいいのかなあ、と気が気ではなく、バスを待っている人に、聞きまくる。

結論からいうと、四つの普通のバス停はすべて近接している。その一つに、市バスの表示と一緒にNavetteと書いてある表示がついているのがあって、そこが乗り場だった。料金は普通の市バスと同じ、1.4ユーロ。ほっ。

バスを降りたところから山頂までは、パノラミックPanoramique des Dômesという鉄道が、はしっている。標高1465m。歩いて登ってみたかったが、道がわからない。するとバスを降りたところに日本人らしき人がいたので、声をかけた。リールでの交換留学が終わったところの、学生さん。

二人で駅で聞いたりGPSで確認したりしながら、道をさがす。登山道はいくつかあるようで、おすすめで短そうなのをえらんだ。山中で一人で迷ったら大変なことになると思ったが、一緒の人がいたので、安心してしゃべりながら登ることができた。

最初の道はこんな感じで、森林浴さわやか。

頂上まで1時間45分。勾配が急になってくるとさすがにきつくなってきて、休み休みに登ったので、もっとかかったかもしれない。

頂上にはレストランがあって、美味しいコースメニューが楽しめる。料理は全部、ガラスのポットに入っているのだけれど、こんな山の上でこんな料理が食べられるとは、というなかなかのレベルで、うれしくなった。外に持ち出して食べてもいいという、配慮なのかも。

わたしはグリルしたスズキみたいなお魚がラタトゥイユの上に載っているのをメインに、デザートはレモンメレンゲパイ。パイといっても、ポットの下部にクランブルみたいなのが入っていて、レモンムースとメレンゲが重ねてあるもの。

無料の博物館もある。音声ガイドでは思わぬピュイドドームの歴史が色々開陳されていて意外な面白さだった(が、覚えられない)。こんな高地に、昔の人たちが集落を作っていたとは。

スカイスポーツを楽しむ人もいて、楽しそう。

アウトドアタイプではないのだけれど、じつは自然も歩くのも、かなり好きなのである。

たっぷり運動した後は、クレルモン=フェランのトップレストラン(TripAdviserによると)である、Avenueへ。6時半に着いたらお店の人がにこやかに出迎えてくれて、予約を受けつけてくれた。お店は7時半開店なので、しばらく街歩き。

その日のおすすめは、フォワドヴォーだった。デザートのフォンダンショコラはその度に焼くので、最初の注文の時に一緒に注文してといわれ、そうした。普通ショコラが入っているところからとろけ出したのは、ピスタチオのクリーム。

世界遺産の山歩きからピスタチオクリームのフォンダンショコラまで、たっぷり堪能。歩きすぎ&食べすぎな1日でした。

#ピュイドドーム #世界遺産 #クレルモンフェラン #フランス #ピスタチオクリームのフォンダンショコラ #田中ちはる

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