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七夕


 最近、ホロスコープを読み始めた。最近と言っても当初から数えると4,5年経つのだけど、本格的に学び実用できる様になったのはここ半年ほど。ホロスコープというのは占星術で使う円形の天体図のこと。

あのちっとも当たらない雑誌の占いコーナーを読んで、取り敢えずいいところだけを記憶に残して気分をちょっぴり良くしてくれる数行の占星術。そう、最初は占い程度に思っていた。けれどきちんと勉強し始めると、これは占いのレベルじゃない。詳細は追々書いていこうと思うのだけど、今日は七夕なので、占星学を深めようと思ったきっかけというか、動機に触れてみようと思う。

占星学は占いというより、天体を意識した心理学に近いと思う。ただ心理学より、もう少し枠を広げてその視野が天界の惑星や星座の影響も含めたところから全体を観ているといった印象だ。そして心理学ほど詳細に心の動きやそこから影響を受けた反応や状態、感情を分析する様なことには触れない。どちらかというとその源泉はここにあるよとだけ教えてくれる。どういうことかというと、人は誰でも全ての要素を等しく持っている。けれど同じ人がひとりとしていない様に個性を持ってこの世に降りてきている。地上に生きる間は表に出ているものはほんの氷山の一角に過ぎず、他者の表に視えているものと同質のものを自分は意識せずとも内側のどこかに持っている。占星術はこの視えない部分の要素を「ちゃんとキミにもあるよ。」と教えてくれると同時に、どうしてこんなものが自分に与えられちゃったんだ?と思いたくなるようなものを実は誰もが持っていること、そしてその厄介で素晴らしくすてきなものをどう表現したら良いのかを指し示してくれる。つまり自分を知り、生かす手助けをしてくれる。そこに気がついたら最後、知れば知るほど奥が深く、その的中する内容にもなるほどと納得。そんなこんなで巷に溢れる洗脳系占いやスピ系キラキラ占いにはあんまり興味がないのだけど、この占星学には思いもよらずズブズブとその深みに自ら踏み込むことになってしまった。


ほとんどの悩める人の問題は大枠で人間関係かお金、人生の方向性=生き方、のどれかだと思う。自分ひとりなら問題にならないことが他者と関わる中で何かが浮上する。この世にお金の概念がなければこんな問題はないのに今のところ人類は一部の部族を除いてお金に操られ、依存しなければ生きていけない。先の2つにはほぼ問題ないがせっかくある命をどう生かそうか、とふと未来を想像する。誰でもより良い人生を生きたいと思うのは生きている証拠。

自分のホロスコープを詳しく見たことがある方はご存知だと思うが、あの円形図は自分自身を円の中心に置き、天動説のように天井を星座が回る。各星座は天を12分割して担当の領域を持つ。惑星はその位置する星座の要素をもって天を循環しながら「その人らしさ」の様な雰囲気を地上の生活・人生に醸し出させる。また、星座の特性とは別に10の惑星はそれ自体がそれぞれ特徴的な個性を持っていて、人生のある期間、あるタイミングにその人の行く道に大きく影響を与える。

全ての人は等しく10の惑星と12の星座の恩恵も影響も要素も与えられている。誰も土星がない人はおらず、誰も魚座がない人はいない。ただ生まれた瞬間の惑星の配置で今生はこれをテーマにする=苦手の克服・自己を生きるとか、ここから恩恵を受ける=居心地の良さ・人生における価値観などを決めてきている。(と、私は思う。)いく転生の中ですっかり克服ずみのテーマは(或いは今生はそれを選ばなかった場合は)何度も繰り返す必要はないのでホロスコープにはその位置に惑星がなかったり、あまり他の惑星と関わりがなかったりする。その時の天の星座と10の星との関係で性格や人間関係、人生のある時点で誰もに起こる大きな変化の時期や発展、忍耐するポイント、身体的特徴などが浮かび上がってくる。


今日はその一番大きい外枠の天空を循環する星座の特性について書こうと思う。

天空の12星座は地上の私たちに影響を与える時、エレメント(自然界の要素)でカテゴライズされる。

12星座を男性宮と女性宮の大きく2つに分ける時の特徴は、

男性宮(牡羊座・双子座・獅子座・天秤座・射手座・水瓶座)=陽性、積極的、自己実現

女性宮(牡牛座・蟹座・乙女座・蠍座・山羊座・魚座)=陰性、内向的、自己抑制

に二分される。男性宮と、女性宮は真逆の性質で、言葉で伝えるのか、言わずにわかって欲しいのか、自然と言いたい事を抑える方に意識が向くのか、逆に自分の考えを伝えようとする方に意識が向くのかなどは結構日常生活の中で顕著に現れているなと思う。注意しなくてはならないのはこれはあくまで10惑星のうちの太陽が位置する星座でのみカテゴライズされているので、全くそうじゃないと思う人も多いはずなのは当然だし(これについては長くなるのでまた今度)、どの要素を誰もが持っているけれど表に出やすいのはこれ、という感じだろうか。

また4つのエレメント火地風水に4分割すると、それぞれ

火(牡羊座・獅子座・射手座)ー始まり、事を起こす、活力 

地(牡牛座・乙女座・山羊座)ー火で始まったものごとを承けてそれをならす、かたちにする、安定 

風(双子座・天秤座・水瓶座)ー地でかたちになったものを転じて発展、展開させる、流動 

水(蟹座・蠍座・魚座)ー全てを混ぜ、己を空にして全体と溶け合う

というような性質を持っている。

なんとなく相性がいい悪いとか、ウマが合うとか、ああ、その気持ちわかる、とかいうのはこのカテゴリーが同質の人同士が感じていることが多々ある。年代も育った環境もちがうのになぜ?と思うが開けてみるとあら、そうなの..ということも。同じエレメント同士だとわかり合いやすい為、居心地がいい、努力なしでわかってもらえる、黙っていてもなんとなく通じる、などストレスが少ないと思う。ただしちょっと別の見方をすると、魂は成長しにくい。それから依存しやすいので楽ちん、というのもあるかもしれない。

陰陽宮が同じ(男性宮:火と風、女性宮:地と水)これも居心地がいいと思う。さらに微妙な価値観のちがいや感性のちがいが、いい感じでお互いに影響し合えるので楽しい。ところがエレメントが火と水とか地と風とかだったりすると、いわゆる大人になることを要求される。お互いが理解できない、どちらかと言えば苦手、なぜかイライラする、そのやり方が気に喰わない、いちいち言葉で言われると傷つく、なぜはっきり言ってくれないの?などなど。当人同士は相手の要素が自分には少ないので強烈に惹かれ合うのもこのパターン(らしい)。

先にエレメントが同じだったり近いと、魂は成長しにくいと書いたのはまさにこの部分。エレメントが遠いもの同士だと自分の当たり前が相手には当たり前ではない。その分かり合えそうにない関係に挑んだり、分かり合えなくても思いやったり、相手に変わることを要求せずに、ちがいをそのまま受け入れるということを、そして自分も相手に受け入れてもらうことを勇気を持ってしなければ関係が成立しない。けれどその理解できない相手を理解しようとすること、こちら側もわかってもらおうと面倒がらずに自分自身に挑戦すること、受け入れよう認めようとすることで深いよろこびが溢れてくるというすてきなご褒美ももれなくついてくる。

生涯の中で、こういう苦手を意識させる相手とは関わらないという選択もありだと思う。毎日気の合う人とだけ楽しく暮らしたい。できれば誰もがそう在りたいのじゃないだろうか。その人が今生、何を学びたいかはその人の自由意志だからである。いくら神さまが言っても、「いや、おらやらね。」とお断りすればいい。でもたぶん、親子や伴侶、ビジネスパートナーなんかで、深く関わらざるを得ない状況でそういう相手に巡り会ってしまった人は、それこそを学びたいんだと思う。自分を成長させてあげたいんだと思う。ご苦労さま。よしよし。さらにここを乗り越えるとその組み合わせは色んな意味で豊かだと思う。お互いにないものを補ってさらに世に大きく貢献できるエネルギーを生み出すだろうと思う。

占星学を学び、ホロスコープを読み込んでいくことで、私がすてきだなと思ったことは、誰にも等しくその要素が与えられているということである。自分を生かす術がどんな人にも用意されているし、さらに言うと、あの人は恵まれてるだとか、この人はくすんでるなんていう評価が全くもって下らないということになる。どの人も十中八九間違いなく、自分の星を=人生の道をめいっぱい一生懸命に生きている。その在り様が現代のこの世の常識枠や自分の価値観だけで観ると、他人が羨ましかったり、素敵じゃないとか欠けているとか不完全に見えたりしているだけである。

カテゴライズされた星座にだけ固執してしまい、人生や人間関係にその狭い視野を反映させてしまうと、世界と自分を分断してしまう。

あの人が持っているものは自分の中にもある。わたしが持っているものを実はあの人も持っている。誰もが等しく平等であること、全体のひとつであること、最初からつながっていること、全ての性質は自分であること、あなたはわたし、わたしはあなた。わたしはすべて、あなたもすべて、なんだかタンゴみたいなのである。

今日は七夕。

ちょっと熱(苦し)くなってきたので今日はここまで。


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