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(GRM・stage) Jul・28・2002 sun

とにかく暑い。30℃は超えているだろう。
ハンドタオルとミネラルウォーター片手に外出。
GRMのスタージュは月曜日からなので、一人でアルクイユまで行ってみる。
アルクイユはパリ郊外だけれど宿泊しているCite Universitaire と同じRER路線上だ。駅を出ると大きな水道橋があり、その下をくぐって街の方へ歩くと、間も無くその場所を見つける事ができた。
そこは、作曲家エリック・サティが晩年過ごしたアパルトマンだ。
とにかく坂の多いこの街を、サティはてくてく歩いて暮らしたのだろう。
彼が住んでいたらしき部屋には、今現在も他の人が住んでいる様子だ。
しばらくその窓の下にじ〜っと立っていた。
ハトの鳴き声と車が行き交う音以外は静かなところだった。
帰りの駅までの道すがら、行き交う人々がなぜか皆、はだかのフランスパン2本を持って歩いている。身長の半分以上はありそうな細くて長いフランスパン。日曜日はほとんどの店が閉まっている中、一軒だけ開いている店には地元の人たちがたむろしていた。店内の石炭袋みたいな袋から無造作にフランスパンを掴んではレジに向かっていた。

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