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人種の壁を超える触発力を【トレバー・ノア:僕はパトリシアの息子】

このnote記事はエンタメ大好き社会人(新卒)である私がエンタメ作品で面白く教養と視座を高めることを目的とした、「意識高い系な人」向けの記事です。記事内には「アップデートポイント」があります。私が考えたポイントですのでそれに対する賛否両論の意見感想などはウェルカムですが、作品自体を誹謗中傷するようなことはここではお控えください。

今回ご紹介するのは映画で、『トレバー・ノア:僕はパトリシアの息子』です。スタンドアップコメディアンのトレバー・ノアが出演と脚本を兼任しているコメディ映画です。最近注目されているスタンドアップコメディですね。

スタンドアップコメディって?

スタンドアップコメディとは、日本でいう漫談のようなものと似ています。しかし、内容や形式が異なっています。スタンドアップコメディで扱われる内容は、ジョーク、人間観察、下ネタ、政治、宗教、人種差別など幅広く、演者が皮肉を交じ得てストーリーテラーするのが特徴です。形式もオーディエンスとの対話形式です。これまで、笑いのみの体験を提供していたコメディの形態とは異なり、時々、観客に深いイシューを投げかけ考えさせられる場面や、不快にさせることがあるという点では”オルタナティブコメディ”って言われていたりもします。

シンプルなイメージ、笑いながら教養を高めたり、視野を広げることができて、なおかつプレゼンの参考にもなるという、無茶苦茶お得で価値の高いエンタメコンテンツだと思ってもらえるといいかなと思います。(これ見たらいつものお笑いに物足りなさを感じる時もありますので注意が必要です)


この作品の見どころ

丁度1時間程度の映画で時間的にも見やすいですし、何しろ面白い。何度も映画の中で笑ってしまいました。笑えるポイントはたくさんありますが、人種差別や政治批判などについてのトピックを自分のエピソードを交えてユーモラスにリズム良く話してくれています。映像体感的には60分が15分くらいに感じました。

一番の見どころは人間観察に長けているトレバーがセンシティブな内容である人種差別や政治的な批判を、ユーモラスを交えて聴衆にイシューを問いかけるような語り口が学びと笑いの機会を与えてくれるところです。あと余談ですが、トレバーはモノマネが本当にうまいです(笑)。

ネタバレはなるべく避けるようにしますが、特にタコスを買うナプキンの下りは日本人が好きな笑いのフレーズじゃないかと思います。もう本当に手叩いて笑いました(笑)。同じ言葉でも国によって言葉の意味が違うことによるカルチャーショックをトレバーが面白おかしく語ってくれています。

他にもスネークやオバマ大統領とのエイズの下りも好きですが、詳細は本編に預けます。この作品からアパレルヘイトや人種差別などに対する考え方やそもそも論を学べるのはもちろん、政治政策を自分ゴト化することの大切さなどに気付かされます。

あまり書くとネタバレになりそうなのでここまでに。是非おうち時間の際の笑いと教養のために観てください。何かご感想や感じたことがあればお気軽に聞かせてください。


アップデートポイント:人は変えられないけど反応は変えられる

さて、ではこの映画のアップデートポイントはどこかと言いますと、映画中でトレバーの母が言った言葉そのものから引用しますが「人は変えられないけど反応は変えられる」ということです。

トレバーが米国に来てから「ニガー!」と言われることが頻繁にあったそうです。ニガーは黒人であることを侮蔑するときに使われるスラングのようなものです。そういった差別的な言葉を言われてもトレバーは母からの言葉を教訓に強く生きます。中でも、

「僕の痛みを見る快感を与えないんだ」。差別されたらキリストの愛と混ぜて折り返す。

この言葉にはトレバー自身の強さもありますが、パトリシアの息子というタイトルにもあるようにもはや色の違いなんて言っていたらやってられないわけです。

ここから言えることは、人(他人)は変えられないけど、他人の反応や他人が自分を見る目は自分自身で変えることができるということです。日本では人種差別がほとんどありませんのでなかなかつかみづらい内容かと思いますが、このメッセージは自分ゴト化することができるのではないでしょうか。

本来、変えることのできない生まれや肌の色など、自分ではどうすることのできないことというのは多く日常にあります。それは政治のことかもしれないし、育ってきた環境かもしれません。それがトリガーとなり悔しい思いやつらい体験をすることは多くあるでしょうが、トレバーのように自分から相手の反応を変えるような働きかけをすることは自分の人生を変えるためには必要なアクションだと思います。それがトレバーの場合、ユーモラスに変えますがなかなか笑いに変えるということは強靭なメンタルと上手な言葉遣いが必要ですので無理をする必要はないかと思います。

もし、自分を見る目が変わらない友人や上司、恋人などがいたらその人たちが変わるのを待つのではなく、自分から見る目を変えさせるアクションを起こしてみましょう。勇気が必要であればトレバーの動画を見ましょう。


まとめ

スタンドアップコメディは笑いだけでなく教養と視野を高め、広げてくれます。今回のトレバーだけでなく他にも様々なスタンドアップコメディのコンテンツがネットフリックスにはありますので是非自粛期間に1つは観てみてください。

また、おススメのスタンドアップコメディアンがいればお気軽に教えてれるとありがたいです。




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