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NovelJamを観戦して思うことつれづれ。

20191104 22:48 誤読を誘引したと思われる文章を一部修正および追記

私の立ち位置について

1回目は個人の裏企画に乗った。
2回目は参加者としてうめいていた。
3回目は都合が悪くて追えなかった。
4回目は7割くらい観戦してヤジを飛ばした。
NovelJamとは、そんなお付き合いだ。

繰り返し参戦する人もいる。
運営側に回って改善しようとする人もいる。
新たな仕事や肩書き、目指すものへ進んでいる人もいる。

私はどれでもない。
強いて言うなら、書くこともする読者、かなあ。

初心者より上手い自負はある。
でも、純然たる初心者は、そもそもNovelJamに通らない。
以前エブリスタ賞をいただいた「たそかれ時の女神たち」だって、食事の必然性が弱いとか、キャラがパターン的とか言われたしな。

なので観戦者である今回は、ブーメランしながらヤジを飛ばすことに徹した。
イメージはプロ野球のプレイに文句つける観客のおじさんだ。
みんな赤ヘルを被るがよい!←

単純接触の法則と機会の偏りについて

今回NovelJamを「読者」として見たとき、リアルタイムでツイートできるかどうかはけっこう差を作るな、と感じた。

配信をずっと見ているのはしんどいし、動画よりテキストの方が認知が早い情報もある。
もちろん、ツイートをしていて作品の質が落ちたら本末転倒なのだけれど、単純な接触の多さは、観戦者にどうしても影響する。

簡単に言えば、親近感の差を生んでしまうんだな。

それは同時に、売り上げの差を生みかねない。
特に今回、値つけに強気な方々が多いので、全作買うのは無職にはけっこう厳しい。プレゼンも正直、みんな頭がすり切れきってるせいか、買いたい気持ちになれなかった。
だったら知り合いか、よく見た人でも買おうか、って気持ちにもなるだろう。

でも……
正直現場でリアタイツイートとかそんな余裕ないの知ってる! 
私は最終稿までに1日使えたけどそれでも厳しかったよ! 
しわ寄せくらった編集さんとデザイナーさんはもっとないよ当時アカウント持ってなかったし!

という格差は、ちょっと、問題かなあと思うわけで。

事前の自己紹介noteなどもあったけれど、あれは自主的に読みにいかないとならないので、ライトな観客にはちと厳しい。
選手名鑑を読んで観戦に行くような人は、そもそも相当のファンなのだ。

PR動画とまではいかずとも、あらかじめキャッチコピーや短い背景情報を出させておいて、配信の合間にスタッフがツイートする、などならいけるだろうか。まず実況専門に割ける人手がないかなあ。
いっそ実況・解説役をクラファンで募集……いやだめだ、そんな愉快なの私が離脱できなくなる(真顔)

プレゼンポイントがなんか違うよね

著者として参加していると忘れがちなのだけれど、提供側が推したいポイントと、購入側が知りたいポイントは、かなりの角度で食い違う。

300円あれば牛皿が追加できるし、500円あればマックの安いセットが食べられる。1000円あれば居酒屋の日替わり定食くらいはいける。それも安定の完成度と満足感で。

それとほぼ同額を出させ、しかも時間も割いてくれと言う。
ただでさえ短時間で仕上げた作品だ、細部が粗いのはわかりきっている。
これを言うのはあれだけど、読むだけなら紙の合本を待ったっていい。

それでも今財布を出すべきなのは何故か?
今、この場で、BCCKSに新規登録してまで、この作品にお金を出すべき理由は何か? 
今月の可処分所得を回してまで購入することで、私(読者)が得る利点は、価値は、快楽は?

……ということに答えてくれるプレゼンを、残念ながら私は見つけられなかった。

追記
会場で商品プレゼンをしても意味がないだろう、目的が違う、という意見をいただいた。
私は、「購入」って行動をするための理由、喜んでお財布出してやるよ、って動機になるものをプレゼンで知りたかったのだけれど。

私が参加した第2回で、「みなさんは世界大会の二次予選くらいの実力がある」と審査員は評した。
つまりNovelJamに参加できている時点で、ある程度の質の担保はされているわけだ。
逆に言えば、スペックだけ語られても、「読者」には明らかな差が見えない。むしろ一定の粗が予想できる点で、総じてマイナススタートでもおかしくない。

要は、値段を意識された時点で負けなのだ。
同じ程度の粗の秀作が、投稿サイトなら無料で読める。嫌になるほど大量に読める。
読者はそっちでもいいんだから。

叫びたいだけならチラシの裏に書けばいい。
伝えたいだけなら人の集まるところに書けばいい。
でも、あなたは値段をつけたんだ。
読み手がお金と換える価値を、我々は出せる、と主張したんだ。

だったら語ろうよ。
読者が得られる価値を伝えようよ。
じゃなきゃあまりにも、もったいないじゃん。

ちなみに「たそかれ時の女神たち」の推しどころは
明治と大正と昭和と平成が全部擬人化して全員女神でしかも姉妹でわっちゃわっちゃ飲み会百合してんですよ読んで楽しいに決まってんじゃないですか!
……もっとまともにプレゼンやってくれた編集さんに怒られそう。

追記
多分この例のせいで、私が商品プレゼンを望んだと思われてるようなのだが。
そうではなく私は、その作品を今買って読むことで何が得られるのかを知りたかった。同志か、萌え仲間か、耽美への誘いか。今後の人生がどう変化するのか、と言ってもいい。
得られる何かが、どれほど魅力的で必要でおすすめで、どれだけ今お財布を開くべきなのか、そこが知りたかった。
でもそれを望むのは、結果的に商品プレゼンと変わらないのかもしれない……
マーケティングは趣味で学んでる程度なので、読んでる間の楽しい時間を差し上げます! って言い方になってしまったのは反省している。

人が小説にお金を出すのは、より良い時間を、人生を得られると信じるからだと私は思う。
価値ある時間の過ごし方だと、信じさせてほしい。

全部ブーメランなことについて

それな(自主ツッコミ)

これは「読者」としての私のわがままなので、「著者」の私からしたら極大ブーメランのダメージが容赦ない。
だがしかし、一泊二日でゼロから新作を出版する、という私の時より激しい荒行に、前々回より期待値高い状態で挑戦するのだから、言わずにいられなかったのだ。

もし私がまたNovelJamに参加するなら、チームメンバーに事前に読んでいてほしい本、を紹介するのでそれで勘弁してほしい。
……著者は注意してね。私はこれ読んで半年以上書けなくなったから。


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