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要約読書術19 認知症診断

「認知症の私から見える社会」丹野智文著 講談社+α新書 2021

著者は、トップセールスマンとして活躍中に若年性アルツハイマー型認知症と診断され、事務職に異動して勤務を続け、今は認知症への社会理解を広める活動をしている。
認知症は、進行してから行動や生活を変えるのは難しい。

何も出来ないと先入観を持たれ、忘れたの?ときついことを言われる。危ないと言われ挑戦できない。全てを奪われた気がする。
それが当事者の意見です。これを読んで、これはとても悲しいと思いました。
認知症と診断されても人それぞれなので、当事者の想いをまずは聞くだけでいい。
進行を遅らせたい気持ちが、当事者の絶望を招いていたとは思いもよらぬことでした。予防がビジネスになっているだけのこと。

頑張ろうと言わないで、楽しそうだったからまたくるねと言うと気持ちが楽になる。

工夫することが生きる事。
忘れることに備えて派手な鞄を持つ。気になったことをすぐ書けるように模造紙を広げておく。保険証・診察券・お薬手帳を1つに。
手続きしやすいように、病名を銀行や旅行代理店や美容院などに伝えておく。ヘルプカードを持って歩く。カバンは一つしか使わない。家の鍵・財布・敬老乗車券は紐で繋いでおく
グループLINEで予定を共有しておく。薬を飲む時間に携帯電話のアラームを鳴らす。毎日飲む薬をカレンダーに貼る。視覚障害者用の時計は押すだけで音声で時間を教えてくれる。スマートロックで家の鍵を開けたり閉めたりする。現金を使わず、カード支払にする。読み上げ機能で本や講演の原稿を書く。

正しい情報は、段階や環境により違うので、自分が動いて取りにいく。ITという武器を使う。写真を撮って送ったり、グループLINEで話すだけでもよい。

感想
出来ること、出来ないこと、やりたい事の3つを伝えるというのが印象的でした。家族は偏見を持たないのが大事。心配はしても信用する。認知症と診断されている人が書いた本というのがとても価値があると感じました。

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