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映画公開日に感じた、「やさしくつながる」とは

今朝は岡山にいます。昨夜は、アイスクリームフィーバーの初日舞台挨拶でした。500人の前でフラッシュをあび、自分が作ったものを見てもらうなんて、本当にすごいことで、何がおきているのかわからない、実感すらない、そんな感じです。私事ですが、昨夜は、母、弟、家族、友達、お世話になった人、大切な人がたくさん見にきていました。振り返ると、1人で家族を養う母と障害を持つ弟と、ずっと本当に大変な人生でしたが、その経験や、思い出がアイデアになり、この作品に生きています。「わたしたちの人生は、やさしくつながっている」と、キャッチコピーに書きましたが、この映画の内容もまさに、それぞれ悩みを持つ人たちの人生が、遠くで関係なくはじまりますが、だんだんアイスクリームのように混ざり合い、やさしくつながっていきます。昨日舞台挨拶に登場してくれた、キャストの吉岡里帆さん、松本まりかさん、詩羽(水曜日のカンパネラ)、スタッフのみなさん、原案の川上未映子さん、主題歌の吉澤嘉代子さん、さらには小沢健二さん、それぞれの出会いも、映画の内容と同じことのように思います。公開初日の朝、実は「君たちはどう生きるか」を観てきました。比べるのは烏滸がましいと思いますが、やはりこの作品も、登場人物のそれぞれの思いが繋がっているんだなと、近い想いを感じ、それと同時に終わった瞬間に、宮崎駿監督が最後に伝えたかったことはこれなんだと想うと、涙があふれました。その日に僕のデビュー作が公開になるなんて、それもまた人生はやさしくつながっているのかなと思います。やはり最後は、人を思いやる気持ちなんだとおもいました。人と人を思いやり、愛する気持ちが、やさしく人生をつないでいるんだと感じました。宮崎駿さんには足元にも及びませんが、これからその想いを繋いで行きたいなと決心した日にもなりました。松本まりかさんが、舞台挨拶で涙を流しました。言葉にできない想いと、個々を思いやる、認め合う世の中にと、泣いていました。あの涙は、この映画の想いを体現しているなと感じました。山下達郎さんの言葉をSNSで「よくない、言ってほしくない」と言ってましたが、僕は山下達郎さんの歌に何度も泣かされ、勇気をもらいました。それぞれの言葉や考えは、切り取られるものではなく、長い長い人生の積み重ねや、その人しかわからない裏側があるはずで、お互いの意見を攻め合わない世の中になったらいいなと思います。この映画は、「言葉にできない」というのも大きなテーマです。川上未映子さんが書いてくれた台詞に、「言葉にできないということは、今の所、この素敵さは、私だけのものということだ」という言葉があります。今の世の中は、言語化できる人が素晴らしいとされ、白黒はっきり物が言えないと、許されない世の中です。そんな中で、「感じる」という人間の根底にもつ、なんとなくやわらかな感覚を、文字通り、感じてほしいと思い作った映画です。なんか違うな〜とか、なんかよかったナとか、余白のようなものをセリフとセリフ、ビジュアルから感じてもらえればうれしいです。昨日舞台挨拶に集まってくれた皆さん、今日から、この映画を見てくれた皆さんが、映画から何かを感じ、やさしくつないでくれると幸いです。僕の人生で出会った人がつないでくれた、僕の初めての映画、アイスクリームフィーバーをぜひよろしくお願いします。今日は、岡山、大阪、京都で舞台挨拶します!たのしみ!

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